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S2-68 9日目:トーマスや囚人達を見捨てる [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

「俺を外に出してくれ!」天井窓に向かって君が叫ぶ。「さもないと、俺の怒りを味わうことになるぞ!」
頭が1つ出てきて嘲笑した。「ほう、そうかい?そいつは困るなあ。」
トーマスがあきれて首を振る。「上の奴の言う通りだぞ。」
「俺はヴィックの友人だ!」なおも君が叫ぶ。
頭上でひと騒ぎあってから天井窓が開く。傷のある顔が現れる。ヴィックだろうか?
「お前は何と言ったんだ?」そいつが呼び掛けてくる。
「俺はヴィックの友人だ。」
男が笑って言い返す。「もうじきお前はヴィックの友人以上になるだろうさ。あの方の所有物になるんだからな。」奴が窓を閉めようとする。
「俺がグランドレイガーの友人だと彼に伝えてくれ。」
顔に傷のある男が眉をひそめる。「グランドレイガーなんて聞いたことねえな。まあ、あの方に聞いてみよう。」
だが、囚人の一人が君達の会話を聞いていた。そいつが立ち上がって叫ぶ。「俺を連れて行ってくれ!俺もグランドレイガーを知ってるんだ!」
頭上の男が君達二人を見て顔をしかめる。
「真実を話しているのは俺達の片方だけだ。」君が上の男に伝える。「お前は当てずっぽうで決めることもできるが、もし間違っていたらお前は大きな問題を抱えることになるぞ。だからここにヴィックを連れてきた方が身のためだ。今すぐにな。」
男は目を見開いた。そしてうなずくと走り去っていった。
1分かそこらしてから、天井窓を通して影が差し込んできた。その人物の振る舞いから察するに、彼がヴィックその人だ。
「お前ら2人ともグランドレイガーだか誰だかの名を口にしたそうだな。」ヴィックが物憂げにゆっくりと語り掛ける。「知り合いの名前を軽々しく聞くのは好きじゃねえ。だから、お前らの舌に罰を与えようと思うんだが。」
「俺はグランドレイガーの友人だ。」君が言い返す。
「お前がか?」ヴィックが呼ばわる。「いいところで会ったな。それで、そのグランドレイガーは俺にとってどんな奴なんだ?」
「お前達の古い戦友だ。」君が答える。「ビリタンティで会った時、彼は俺にそう言った。」
君はヴィックの顔つきがたちまち変わったのを見抜いた。彼は君の言葉に衝撃を受けたのだ。「てことは、あの老いぼれアナグマ野郎は生き延びたんだな?あいつはビリタンティに隠居したいといつも言ってやがった。お前も知っての通り、俺達はあいつを置き去りにして死ぬに任せたんだがな。」
彼は護衛に身振りで指示した。「この男を外に出せ。もし他の囚人が一緒に登ってきたら、ロープを切って全員まとめて落としな。」
護衛達が縄梯子を求めて慌ただしく動き回り、ほどなくしてそれが船倉に投げ降ろされてきた。
君はそれを掴んだが、他の囚人達が同じように登るのを防ぐ手立てはもちろんなかった。真っ先に続いているのは君の友人トーマスだ。
「奴らを蹴落とせ!」この状況に対して警告を発しながら、護衛が叫ぶ。「さもねえとロープを切るぞ!」
君は2度も警告される手間を掛けさせなかった。トーマスの顔面にブーツをめり込ませると、びっくり仰天した彼は手を離してしまい転落していった。次に君は剣を引き抜くと、下に続くロープを切り落とした。


【感想】
原作と異なり、アプリ版のヴィックは完璧にヤクザの親分みたいな存在になっています。今回はこの超重要人物となったヴィックとどうしても対面したかったので、トーマスや他の囚人達を見捨てる非情な行動を取らざるを得ませんでした。
今回の第1部でのルートでは、グランドレイガー自身からヴィックの名を聞くことはできませんでしたが、一応本人とは面識があり、その後ヴァンゴーンから彼らの関係を聞いているので、繋ぎ合わせた情報でヴィックと交渉できたというわけです。
このまま船倉に留まると、ウェアウルフの入った檻が下りてきます。その後の展開は選択肢次第ですが、咬まれて主人公もウェアウルフの仲間入り&ゲームオーバーとか、他の囚人ともども脱出→船を乗っ取る→ヴィックの別の船に撃沈される(キャノン砲が登場!)→ジャバジ河に飛び込んで北岸に上陸(食料や巻物を失う)、などがあります。

S2-67 9日目:結局さらわれ、奴隷船で朝を迎える [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

君は宿屋の中に飛び込むと、背後で扉をぴしゃりと閉じた。誰も君が入ったことに注意を払っていない。
宿屋の中は君が先ほど出た時のままだ。
「桁端が上がった。それで分かった、おいらは干上がった。」先ほどとは別のこぎれいな水夫が部屋の隅で歌っている。

押し合いへし合いしながら酒場へ向かう。
「部屋はあるかい?」君が尋ねる。声を張り上げる代わりに、主人は指を4本上げた。
だがまず君はエールをもらうことにした。これで3杯目だ。
変化はすぐに表れた。最初に目がチカチカし始め、次に頭痛が襲ってきた。君は半ば立ち上がったが、どちらが2階なのかほとんど分からなくなっていた。
ぼんやりとした君の視界に3人の男達が現れ、君の腕を取る。「大丈夫か?こいつで俺達が手伝ってやるぜ。」
何かが動き、君は後頭部に強烈な一撃を食らった。およそ3秒後、君は自分が気絶させられたと気づく。そして全てが暗闇に覆われた。

目を開ける。頭がずきずきして割れそうだ。上半身を起こして後頭部に手をやる。卵ほどの大きさもあるこぶができている。一体何で殴られたのだろう?
床がゆっくりと揺れている。気分が悪く吐き気がするのはおそらくこのせいだ。
君の口からではない騒々しいうめき声が聞こえてくる。君は辺りを見回した。
今君がいるのは木でできた落とし穴の底で、頭上高くには天井窓がある。床には幾人もの身体が大の字に寝そべっている。君は船に囚われているのだ!
少なくとも、君には背負い袋と剣がある。だが、所持金の半分がなくなっている!財布を分けていたのは幸運だった。おかげで全財産を失わずに済んだのだ。
木の壁の両側がきしんで音を立てている。完全に船倉の中だ。
何者かが君の肩を叩く。君が振り返るとそこには1人の老人がいた。それが誰だか思い出すのに少し時間がかかる。彼は城壁の外で出会った老兵トーマスだ。
「一難去ってまた一難だな。」彼が言う。「街の外に留め置かれる方が、この街に閉じ込められるよりもっと酷いことだと思っていたんだが。」
「何があったんだ?」君が尋ねる。
「長い話じゃない。あんたも知っての通り、わしは街に入った。衛兵を振り切ってな。」彼はニヤリと笑ったが、笑みはすぐに消えた。「だが、宿代がないんで屋外で寝たんだ。起きたらここにいたってわけさ。」彼が真顔になる。「どうにかしてここから出ねばならんぞ。ここに長くいると何か良くないことが起こるはずじゃ。」
「何かとは?」君が尋ねる。漠然とした警告に怯えたくはない。
「かつて、ヴィックの最悪の行いといえば川を下って奴隷を売りさばくことだった。だが最近はオオカミを所有するようになったそうだ。」トーマスは絶望的な表情だ。「わしは奴隷商人どもが檻について話すのを聞いた。」彼が声を潜めてささやく。「奴らが檻を下ろしてきたら、わしらはそれをよじ登れるんじゃないか?」
他の囚人達はうめいたりため息をついたりしているが、君には彼らの言葉が理解できない。全員が異なる言語を話しているようなのだ。
「RAp!」
かつらを引っ張り出して頭に載せて呪文を唱える。すると、彼らの奇妙なつぶやきやうめき声が理解できるようになった!そのほとんどは、不平不満や財布がどこにいったのかいぶかしむ内容だ。だが、魔法は長くは続かない。
君は手近な囚人達を少数集めた。「脱出計画が必要なんだ、」君がささやく。「さあ考えよう。」
だが彼らはぽかんと互いに見つめ合うだけで、数分後にはそのうちの何人かは泣き叫び始めた。
魔法がすり抜けていくのを感じ、君はこの試みを諦めた。この哀れな連中に掛ける言葉は何もない。


【変化点】
・現在/最大体力:14/20→13/20(気絶)→11/20(人さらい)
・金貨:75→74(エール)→37(人さらい)

【感想】
財布は分散させていたので半分残るのはいいとしても、背負い袋と剣が手元に残っているのは不思議な気が。実にありがたいとはいえ。

S2-66 8日目:人さらいに野宿を邪魔される [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

来た道を戻る。もうフランカーの姿はない。
道は上りになり、それからまた下りになった。両側の家々の間に小さな横道が幾つか消えていく。街のこの区画は蜘蛛の巣のように広がっており、簡単に迷ってしまいそうだ。
扉の上に真鍮の看板を掲げた店の前を通り過ぎる。『金属職人組合』と書かれている。だが、夜間は閉まっているようだ。

波止場まで戻ってきた。
君は無人になった市場の小屋に向かった。覆いや日よけは雨露をしのぐには十分だろうし、屋台が多いので通りすがりの盗賊からもうまく姿を隠せるだろう。
くつろぐ前にリンゴを取り出してかじる。少し気分が良くなった気がする。
とある小屋のそばで横になり、背負い袋を枕にして目をつぶる。
いつもと変わらない夕べだ。雲が集まり、明かりが弱くなっていく。いい眺めだ。

君はぐっすりと眠った。小屋の近くで聞こえた足音に起こされるまでは。
君はすぐに目を覚ました。息をひそめて聞き耳を立てる。男が2人、君の右手の小屋の中でヒソヒソ声で会話している。
「何か見つかったか?」男が尋ねる。
2人目が不満そうに答える。「目ぼしいものはさっぱりだ。」
「俺は彼に言ったんだ。あまりに多くの人間をさらったら、カーレの住民でさえ家の中に閉じこもっちまうってな。」最初の男が言う。「俺達はどれだけ捕まえたんだ?」
「もっとたくさん手に入れられるくらいにはなったが、」2人目が答える。「それで事を成すには数が足りんな。」
「誰もサンサスの姿を3週間は見ていないんだぜ。」1人目が咳をした。彼はさらに何かをつぶやいたが、あまりに声が小さくて聞き取れなかった。
「お前はそれを信じてるのか?サンサスが第1貴人になったのはどうしてだと思ってるんだ?」もう1人が応じる。
君は姿勢を低くしたままなおも聴き続けたが、彼らはそれ以上何もしゃべらなかった。
その時、別の物音が聞こえた。3人目の人物が近づいてきたのだ。だが、そいつは1匹の犬を連れているようだ。彼らは互いにあいさつを交わした。
「何か見つけたか?」
「放浪者が数人だ。」新しい方が答える。
急に犬が吠え始めた。彼らは何かを話しているが、遠過ぎてよく聞こえない。
もっと聞こうと、この場になおも留まる。だが聞こえてくるのは、近づいてくる犬がクンクン鼻を鳴らす音だけだ。
何が起こっているのか悟るのが遅過ぎた。こいつは君の臭いを嗅ぎつけたのだ!
君は飛び起きて走り始めた。
「1人いたぞ!」男どもが叫ぶ。「アルパナ、取ってこい!」
何かが君を追って小屋の間から跳びかかってきた。そいつを混乱させようと、君は道を変えてよろい板や天蓋の間に入り込んだ。だが、そいつはまるで水のようにどんな隙間もスルスルと通り抜け、一向に速さを落とす気配がない。
今や川岸に近づいてきた。獣はかかとのすぐそばまで迫っている。
次の瞬間、そいつが跳躍した。
君はジグザグに走って身をかわすと、そのまま走り続け、ついにはたたまれていないテントの入り口から外に飛び出した。
振り返った君は、ロープを引っ張ってテントの入り口を閉じた。獣はタールを塗った分厚い防水布にそのまま突っ込んだ。
奴は爪で引っ掻いて破ろうとしている。布は長くはもたないだろう。
市場から走り出て、川沿いに宿屋を目指す。夜なので民家はどこも戸締りしているが、『旅人の憩い』亭はまだにぎやかだ。音楽や陽気な歓声が開いた窓から聞こえてくる。
あるいは、宿屋の脇の小道に隠れられるかもしれない。


【変化点】
・現在/最大体力:13/20→14/20(食事)
・食料:5→4日分

【感想】
やや分かりにくいですが、消息不明のサンサスをもはや脅威ではないとみなす仲間をもう1人が諭している場面のようです。そして、「もっとたくさん手に入れられるくらいにはなった」とは、ウェアウルフの頭数が揃ってきたので人さらいがはかどるようになったという意味でしょう。今回追いかけてきたのも本当は犬ではないはず。
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新年明けましておめでとうございます。第3部も長いので、今年中にいけるのは途中までになりそう。

S2-65 8日目:もぬけの殻の会議室 [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

ここはカーレの評議会の大会議室だ。広い部屋の天井のドームを支える柱には、怪物、大蛇、拷問道具が彫り込まれている。
中央には玉座のような12の座席が円形に配置され、そのうちの1つは高座になっている。おそらく第1貴人サンサスのものだ。
どれもが空席だ。玉座の輪の中には、チョークで円が描かれている。
フランカーが顔をしかめる。「そんなはずはない。」そう言うと、彼は物思いにふけった。
君が椅子に沿ってゆっくり歩くと、彼も反対側から同じようにした。「ここには誰もいない。」彼が告げる。「秘密の扉も、隠し通路も。」
全ての椅子の背もたれに名前が書かれていることに気づく。第1貴人の玉座には、金色の葉に浮き出し模様でサンサスの名が入っている。他の椅子にはもっと小さい鉄板に名前が書かれている。モウラス、ティフィン、ロラグ、シンヴァ、ザイリン、そしてズィーター。どの椅子も座った形跡が長い間見られない。
第1貴人の椅子に腰を下ろし、足を組んで部屋を眺める。フランカーがチョークの円の専門的な検分から目を上げ、面白そうに君を見やる。
座ったまま、石の床に描かれたチョークの円を観察する。それは思っていた通りのものだ。唯一目を引くのは、それが欠けのない曲線からなる完璧な円であるということだ。
「うまく描かれ過ぎている。」フランカーが君の考えに同調する。「怪しいな。」
ここには他に何もない。「これは時間の無駄だ。」フランカーに伝える。
暗殺者が首を振る。「おそらくな。だが分かったこともある。」彼が床の輪を指差す。「分かるか?あれは入り口の罠だと思う。」
「お前が以前言っていたあれか?」
「覚えていたんだな。」フランカーが答える。「もしあんたが北カーレに赴くなら、知っておかなくてはな。」
「罠はどんな風に見えるんだ?」
「正確な円だ、友よ。それは罠にとても強い力があるからなんだ。罠は全く目に見えない。どこにでも現れるが、ひとたび足を踏み入れてしまえばその者は飛ばされてしまう。」
「どこへ?」興味深そうに円を眺めながら君が尋ねる。
「術者が選んだ場所ならどこへでも。硬い岩の中でも、空高くでも。カーレの昔からの流儀では下水道の中と相場が決まっている。そしてほとんどの者が戻って来れない。」
「それで、貴人達はどこにいるんだ?」空っぽの部屋を見渡しながら君が尋ねる。
フランカーが当惑したように君を見る。「彼らが自分達の罠に落ちたとは信じがたい。彼らは愚か者だが、そこまでではないからな。だが、ここには入り口があり、サンサスが入ったきり出てこないという噂も…。」そこまで言うと、彼は深く考え込んだ。
次に彼は急に扉まで行くと、君の方を振り向いた。「だが、罠について重要なのは、」ほとんど怒っているような様子で彼が言う。「それがもはやカーレの住人の制御下にはないということだ。」
「今は誰が制御しているんだ?」
「あんたの無邪気な言動は面白いと言っていいくらいだな。」彼が答える。「誰だと思う?人々が何かの力を与えられた時、誰がそれを横取りする?もちろん、貴人どもだ。今や何年にもわたって、カーレの全ての罠はサンサス自身によって操られているんだ。」
「サンサスはどこだ?」君が尋ねる。「彼はここにはいない。」
「まったくだ。確かにいないな。」
フランカーが再び背を向ける。「もう十分見た。見たものをよく考えねば。」彼は扉を開けてさっさと行ってしまった。

彼に続いて部屋を後にする。
衛兵が金貨袋を手に君を呼び止めようとする。「この袋なんだが…。」だが君は素早く動いた。君の背後が壁で塞がる。


【感想】
現体制の評議会の全メンバーの名前が判明!でも7人しかいない…。ヴァンゴーンの言ってたことと違うのは何故?
ここで入り口の罠が初登場。踏み込んだら北カーレの下水道にまっしぐら。
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今年の更新はこれで終わりです。また来年。

S2-64 8日目:評議会を訪問 [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

フランカーに続いて波止場の端を横切る。影のような素早さで彼は移動しているが、君の視界から消えないように何かしら考えてくれてはいるようだ。彼はしゃべろうとはせず、会話しようとする君の試みは即座に沈黙で迎えられた。

ついに、ある建物にたどり着く。ごく普通の外観だ。「これだ。」彼が言う。「ここで待て。俺が中に入る。」
彼の姿は扉を抜けて消えた。

彼が入った建物を眺める。窓ガラスは瓶底のように厚い。扉はタールで覆われた木製で、鋲が打たれ黒く塗られている。建物はただの平屋で、屋根には雑草が生い茂っている。両隣には小さな住宅が建っている。
君の目の前にあるのは何の変哲もない建物だ。評議会室などありそうもない。これは罠ではないのか?
窓の一つを覗き込む。だがガラスが厚過ぎるのと、内側がロウソクの獣脂でひどく汚れているのとで、中は何も判別できない。

しばらく待ってもフランカーは姿を現さない。
扉をノックしてみる。中から返事はない。
君はフランカーの指示を無視して扉を開けた。鍵は掛かっていない。

今いるのは広い部屋の中だ。椅子が壁沿いに並んでいるが、他に家具はない。これが誰かの家なら徹底的に盗み尽くされたことになる。だがそうでないのなら、ここがどのように使われているのか見当もつかない。ただ、暖炉には火が入っており、打ち捨てられているわけではない。
フランカーの気配はどこにもない。
手を温めようと暖炉に近づく。以前訪れた廃墟の暖炉とは異なり、普通の暖炉のようだ。
どこからともなく声がした。「どうぞお掛け下さい。」
これは間違いなく罠だ。君は立ったまま、部屋の中央に移動した。何も起こらない。
「誰かいるのか?」呼び掛けてからゆっくりと見回す。部屋は相変わらず空っぽのままだ。
君がそのまま立ち尽くしていると、声が繰り返した。「どうぞお座り下さい。」
用心しながら、暖炉のそばの椅子を選んで座る。足から力を抜いた途端、奇妙なことが起きた。向かいの壁が掻き消えたのだ。
そこは長い廊下だった。紋章の入った旗と真鍮の台に載った松明がずらりと並んでいる。廊下の中ほどには2人の衛兵とフランカーが立ち、深く話し込んでいる。
君が躊躇して眺めていると、衛兵が言った。「申し訳ないが、評議会は会議の真っ最中だ。邪魔立てしてはならん。」
フランカーが首を振る。「それが間違いなのはお前もよく分かっているだろう。」
衛兵は硬い表情で笑みを浮かべただけだった。
フランカーが振り返って君に合図をした。「こっちに来てくれ。」

暗殺者に歩み寄ると、衛兵がさっきより大きな声で繰り返した。「評議会はおそらく会議中だ。」
「それでも俺は彼らに会う必要があるんだ!」君が断固として主張する。
「会議中は何人も評議会に目通りかなわぬ。」しかつめらしく衛兵が答える。
「DUD!」
君は呪文を唱えて、小さな金貨袋の幻影をそっと作り出した。2,30枚は入っているだろう。君はそれを衛兵に差し出した。「手間を掛けさせて済まないな。」そう言いながら勧める。「これでどうだい?」
それ以上の議論はほとんどなかった。最初の衛兵が扉を開けると、瞬く間にフランカーが中へ滑り込んだ。


【変化点】
・現在/最大体力:14/20→13/20(魔法)

【感想】
評議会への訪問は原作にはなかった部分。ここで衛兵を倒してしまうと、後でクーガ神にそっぽを向かれてしまいます。
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↑この辺りは「パランティーヌの丘」と呼ばれているようです。ちなみに、ブラッドソード第3巻(B3-1)には「パラティーヌ」という地名が出てきました。

S2-63 8日目:再々会したフランカーとゲームに興じる [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

「我が友よ、それはそうと、カーレで何をしているんだ?1の目が1つ。」最初の宣言をしながら、君が尋ねる。
フランカーが首を振る。「ゲームから俺の気を逸らそうというあんたの無意味な言葉は、俺には通用しないぜ。だからそんな手は取らないことだ。3の目が2つ。」
「そんなつもりじゃないんだがな。1の目が3つ。」
彼がなおも首を振る。「いいや、そのつもりのはずだ。自分より力量の劣る相手に対峙した時は俺もそうするからな。」
「そういうことなら、お前の気を散らせるとするか。3の目が4つ。」君が嬉しそうに答える。
「どうやら、あんたの言葉に妨げられることなく、清きシンドラは俺の願いを聞き入れて下さったようだ。コール。」
3の目は4つあった!フランカーはサイコロを一つ手放した。

フランカーがすさまじい集中力で考え込む。「よし、1の目が1つだ。」
「お前はこのゲームを剣の決闘と同じくらい真剣に捉えているのか?3の目が2つ。」
「一度傷つけられた評判を和らげることはできぬ。」彼が冷淡に答える。「全ての不面目は、人が墓場まで持っていく瑕疵となるのだ。1の目が3つ。」
「ただのゲームじゃないか。3の目が4つ。」
「いずれ分かる。コール。」
3の目は4つあった!フランカーは悪態をつくと、自分のサイコロを1つ床に払い落とした。

「俺は遊びながら静かに座っているのは好きじゃなくてね。2の目が1つ。」君が言う。
「ペラペラしゃべることしか勝つ望みがないんだろう?俺は動じない。4の目が2つ。」
「お前には尋ねたいことが山ほどあるんだ。4の目が3つ。」
「集中力を欠いたようだな。」フランカーが尋ねる。「それなら俺には嬉しいことだ。あんたは負けるんだからな。コール。」
4の目は2つだけだ!フランカーはニヤリと笑うと、君の手からサイコロを1つ取り上げた。

「どうもこの街は俺には合わない気がするよ。1の目が1つ。」君が告げる。
「その通りだ。俺は喜んで外の丘の方を選ぶ。2の目が2つ。」
「臭いだろ?4の目が2つ。」
「この場所の全てが悪臭を放っている。2の目が3つ。」

「俺はこの宿に泊まるつもりだったんだが、」フランカーが告げる。「ネズミがいやがった。1の目が1つ。」
「カーレのほとんどの宿にいるさ。4の目が1つ。」
「実のところ、ここはましだと聞いていたんだが。まあ問題ない。自分の習慣通り、俺は茂みで寝ることにする。1の目が2つ。」

「それで、どうしてお前はここにいるんだ?1の目が1つ。」君が尋ねる。
「あんたは俺に誰を殺したのか聞いているのか?それを明かすのは俺の信条に反することだ。3の目が1つ。」

結局、勝負は君の勝ちだった。フランカーは深々とうなずいた。「シンドラの加護はあったが、俺はまたしてもあんたに負けた。俺と一緒に来るがいい。評議会へ連れていってやろう。」
「評議会?」
「カーレの指導者達は狂人と海賊ばかりだが、愚か者ではない。あんたの使命を汲み取るよう説得できるかもしれん。」彼が答える。「あんたが彼らの懐を潤せる場合はなおさらな。行くか?」
「どこにあるんだ?」
「見つけるのは難しい。」彼が言う。「カーレで最も高い建物だが、そのほとんどは地下の部分にある。だから、通りから見ると小さい貧相な住宅でしかない。でも、俺はそれがどこにあるか知っている。」
「よし、行こう。」
「結構。」フランカーはニヤリと笑うと、ビールを飲み干してから扉を指差した。「俺について来い。」


【感想】
このように、フランカーが原作よりも深く絡んでくる選択肢が出てきます。
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S2-62 8日目:水夫とゲームに興じる [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

水夫は君にサイコロを手渡すと、金貨4枚をテーブルの上の見える場所に置いた。それから5個のサイコロを振る。
君もサイコロを振って、最初の宣言を何にするか考える。「街の貴人達をどこで見つけられるか知ってるかい?3の目が3つ。」
「知らねえな。4の目が3つ。」男が答えると、奴の女友達が同意してうなずく。
「彼らが失踪したのは冠が盗まれたからなのか?4の目が4つ。」
「冠だって?」顔をしかめて男が返事をする。「誰の冠だ?4の目が5つ。」
「コール。」
4の目は4つだけだ!水夫はため息をつくと、サイコロを一つ床に放り出した。

彼が顔を寄せてささやく。「連中は俺達を残して街を去ったんだよ。2の目が2つ。」
「彼らはなぜそんなことを?2の目が4つ。」
「税金の金庫を持ち逃げするためさ。2の目が5つ。」
「俺はあんたが間違っていると思う。そのことについても、サイコロの目についてもな、コール!」
2の目は4つだけだ!水夫がサイコロを一つテーブルに放り投げる。

「北門の方角を知りたい。教えてくれないか?1の目が1つ。」
「どの門のことだ?2の目が1つ。」
「街には2つの門しかないだろ。2の目が3つ。」
これに対する男の言葉はあまりに不明瞭で、君には理解不能だった。「俺が尋ねたことは忘れてくれ。コール。」君は手を振りながら言った。

「北門の呪文について何か教えてくれないか?2の目が1つ。」君が尋ねる。
「手伝ってやりてえが、」水夫が首を振りながら答える。「ほとんどの貴人は死んじまったよ。2の目が2つ。」
「それじゃ、呪文を知るには遅過ぎるってことか?」
「さてな。2の目が3つ。」男は何か言おうとしたが、それ以上口にしていいものか迷っている様子だ。
「あんたは自分の知っていることを俺にまだ話してくれてないんだな。2の目が4つ。」
水夫が座り直す。エッカが彼にうなずく。「ええとだな、」彼が言う。「俺の聞いた話によると、あんたが会いたいっていう奴を見つけるには、不死の者を倒さなきゃならんらしい。2の目が5つ。」
「興味深いな。コール。」
2の目は3つだけだ!水夫がため息をついて、彼の最後のサイコロをテーブルの上に投げ出す。君の勝ちだ。
水夫は金貨4枚を君に寄越した。「もう1回やるかい?」彼が尋ねる。
「もう十分だ。」財布を叩きながら君が答える。
彼はサイコロを脇に置くと、君の腕を肘で軽くつついて身振りで尋ねてきた。「エールをもう一杯付き合えよ。」
君が首を振ると、彼は肩をすくめ、カウンターまで千鳥足で歩いていった。それから2,3分後に半分になったエールの大ジョッキを持って戻ってきた。戻る途中に半分飲んだのだ。
君が立ち上がると、エッカがほほ笑みながらささやいた。「飲み過ぎたら駄目だよ。」

騒がしい部屋を歩き回っていると、部屋の隅に影のような人物を見かけた。フランカーだ!
近くまで行って彼のそばの席に座る。
「また会ったな!」彼が嬉しそうに声を上げる。前に会った時よりくつろいでいるようだ。おそらくここで果たすべき何らかの仕事を終えたところなのだろう。
「ところで友よ、」彼が低い声で言う。「サイコロはやるんだろ?」
「スウィンドルストーンのことか?」
フランカーの顔に笑みが広がる。「あんたがそれを知っているのは分かっていたんだ。」彼は上着の隠しから一揃いのサイコロを取り出すと、その半分をテーブルの反対側にいる君に寄越してきた。
「何を賭ける?」サイコロを受け取り、君が尋ねる。
「控えめな賭けにしよう。」彼が答える。「もしあんたが勝ったら、俺があんたの使命を手伝おう。だが俺が勝ったら、あんたに対する俺の恩義は終わりだ。次にまた会った時は、あんたの肩から首を切り落とすのも自由というわけだ。乗るかい?」
「いいだろう。」君が応じる。
フランカーがうなずく。「それなら条件は成立だ。そっちのサイコロにツキがなくて、あんたが悪手を指してくれることを祈ってるぜ。」


【変化点】
・金貨:71→75枚

【感想】
相変わらず難解な訛った文章。それにしても、みんな賭け事好き過ぎ。
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ところで、数日前に「New Game Plus mode」が追加されました。第4部クリア時のパスワードで各部をやり直すと、新しく追加された内容を楽しめる模様。ただ、アイテム等の持ち越しはなさそうです。
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S2-61 8日目:『旅人の憩い』亭に入る [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

そこは活気に満ちた騒々しい場所だった。
酒場のカウンターの向こうの主人は、同時にエールを寄こせと怒鳴ってくる何人もの生き物達に応対している。一方テーブルの周りでは、船員達とふくよかで魅力的な娘達が笑い合い、舟歌を歌っている。
君は生き物達を押しのけながら酒場へ向かった。カウンターをこぶしで叩き、主人の注意を引く。彼はぶっきらぼうな禿げ頭の男で、波止場の下層社会の連中の扱いに慣れているようだ。学校の教師が手に負えない教室を監督するようにこの場所を切り盛りし、隅々まで目を行き渡らせ、素早く金を徴収し、店の金入れに人を近づけないようにしている。
「こんばんは。」君が言う。「ここはいい店だな。」
主人が君にうなずく。彼は君の服装と教養のある口調に好印象を持ったようだ。「それで、この店にどんな用だね?」
酒場の他の者は場所を求めて押し合いへし合いしている。
「俺は北門を目指しているんだが…。」
「いいかい、」彼が君の話を遮る。「俺は知りたいなんて言っちゃいない。飲みたいのかと聞いたんだ。お前さんは話をしたいんだろ?それなら俺の客になってもらわないと。」彼は部屋を埋め尽くす酔っ払った水夫やならず者を手で示した。
「エールはいくらだ?」君が尋ねると、主人は指を1本上げた。
ちょうどその時、ならず者がドワーフのエールのマグを叩き落した。だが勃発した喧嘩はあっという間に、斧の柄の一撃でならず者の鼻をへし折ることで決着した。歓声が上がり、主人はエールを無料で差し替えてやった。
「それなら、1杯もらおうか。」君が告げて硬貨を1枚置くと、主人は取っ手の付いた酒瓶を寄越した。
両側の先客達と大ジョッキを打ち鳴らして乾杯した後、一息に飲み干す。風味豊かで心地よいその味は、君の胃袋を暖かいほてりで満たしてくれた。
「カーレで一番の味なんだ。」君の満足げな笑みを見て、主人が付け加える。「うちの銘酒『旅人の飲み頃』に勝るものなんてありゃしないね。もう1杯飲んだらどうだい。2杯目はもっといけるぜ。」
君はもう1杯飲むことにした。血の巡りが良くなっていくのを感じる。この宿は実に魅力的な場所ではないか。人々もとても友好的だ。
主人が君の考えに賛成する。「乾杯は全てを片付けてくれるんだ。」

君は酒場の人込みを押しのけてその場を離れ、眼帯をしている日に焼けた水夫と、やはり眼帯をした浅黒い肌の女の間の席に着いた。二人にあいさつをする。
「あんたは海のもんじゃなさそうだな。」男が言う。「そうだろ、エッカ?」
エッカと呼ばれた女が低い耳障りな声で笑う。「海人じゃなくて彷徨い人さね!」
君は空になったジョッキを主人に向かって振った。彼が分かったという風に指を1本立てる。
「おい、あんた、」水夫が言う。「スウィンドルストーンはやるのかい?」
「ああ、やろう。」
「よしきた。」男はジョッキをどかしてテーブルの上に空き場所を作った。「賭け金は金貨4枚だ。」
「その話、乗った。」


【変化点】
・現在/最大体力:12/20→14/20(エール2杯)
・金貨:73→71枚

【感想】
エールで食事と同等に体力が回復する辺り、泡立つ酒の偉大さを感じずにはいられません。喉越しは大事。
それとこの水夫の男、訛りがかなり酷く、you→yoi、listen→loisten、four→foi、do→doi、play→plai、gold→goild、game→gaim、nobles→noaibles、crown→craanなどとなっており、これが連続で出てくると文の意味がさっぱり分からなくなります。
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S2-60 8日目:疑惑の宿屋で悪人達の噂を聞きつける [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

ジーラは手ぶりで彼の友人を紹介した。「彼女はアルメーラ。踊り手なんだけど、それに騙されちゃいけないよ。彼女は思慮深い心を持っているんだ、間違いなくね。」アルメーラがペコリとお辞儀する。
「どんなふうに不具にしたんだ?」君がアルメーラに尋ねる。
彼女が肩をすくめる。「ある者は盲目に、そしてある者は死者に。またある者は不死者になったけれど、どんな方法にせよ共同墓地に埋葬された。そんな感じらしいわ。」彼女はにっこり微笑むと、自分のビールに視線を落とした。
衣をつけて油で揚げたスカンクベアの足の指をかみ砕きながら、ジーラが言う。「それで、今夜はここに泊まるつもりかい?」
「まだ決めかねているんだ。」
「それは正しいことだよ。『熱い簒奪者』とか何とかいう名前で呼ばれるこの場所で宿をとる危険がどんなものなのか、僕はあまり知らないんだ。ここの主人はうまいネズミの骨の衣揚げを作るよ。蒸し焼き鍋以外には臓物が少し手元にあるばかりだというのにね。」
「どこに泊まるべきかな?」
「他の宿は悪くないけど、ヴィックは酔っぱらった客をさらっていくって話だ。」意味ありげに彼がうなずく。
「彼は何者なんだ?」
「ヴィックかい?」ジーラが厳しい表情をする。「ヴィックは分かりやすいとは言えない男だ。むしろ、彼の知り合いでありながら彼とかかわり合いたくない者もたくさんいる。ヴィックは悪人なんだ。彼は奴隷集団の頭目だけど、それ以上になろうと目論んでいるって耳にしたことがある。」
アルメーラも同意する。「彼が評議会を蹂躙するつもりだって噂があるの。そんなこと出来っこないわ。でももし彼がそれを計画しているなら、自分の奴隷を担ぎ出すんじゃないかしら。」
「そのことなら、」君はカーレの最初の晩に倒したウェアウルフについて話した。満月でもないのに現れ、腕にヴィックの入れ墨をしていたあの化け物の。
アルメーラが息をのむ。「ウェアウルフの軍隊ですって?人間は命令をこなすには十分だけど、猟犬なら疑問を持たずに彼らに従うわ。」彼女が首を振る。「評議会が心配だわ…。」
ジーラがマグを掲げて乾杯し、雰囲気を明るくしようと努める。
「さっき君は盲目の貴人のことを言ってたね。」君が言う。「どこに行けば彼に会える?」
アルメーラが肩をすくめる。「そんなの分からないわ。カーレには乞食がたくさんいるんだから。」
ジーラがため息をつく。「もう遅い。そろそろ行こう。」
アルメーラがうなずいて彼の腕をとる。そして仲良く腕を組むと、君に別れを告げて宿を後にした。

この場所はもううんざりだ。君は通りへ出て、そして波止場へと戻った。
段々と選択肢が減ってきた君は、『旅人の憩い』亭に入ることにした。


【感想】
『Heated Reaver』のいい訳が見つからず。
ここでジーラは何気に恐ろしいことをさらっと言っています。つまり、ここの主人が提供する食事は犠牲者の…。ということは、ジーラにおごってもらった食事ももしかすると…。これはあかんやつや!
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S2-59 8日目:『肉と包丁』亭で踊り手と再会 [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

波止場前の広場に面した『肉と包丁』亭へと向かう。
そこは材木売り場を改装したかのような小汚い宿屋だった。ネズミが床を走り回り、テーブル席の客は、まるで空気を吸っただけで活力を吸い取られたかのように、やつれ果てくたびれて見える。
酒場のそばでは、背むしの主人が不潔な布切れでマグを拭いている。
酒場に近づくと、宿の主人が君にあいさつしようと背筋を伸ばした。
「やあ、こんにちは。」
「肉と包丁亭へようこそ。」彼が言う。「何になさいやしょう?」
「ここの商売の景気はどうだい?」
男がまじまじと君を見つめる。「景気と言われましてもねぇ。ここは波止場で、あっしはビールを売ってやす。商売はいつも通りでさ。」彼が肩をすくめる。「この街が分裂しかかってるなんて言われてることも知ってやすよ。でも、あっしはそんなこと信じちゃいませんや。連中はいつだってそんなこと言いやがる。それでも奴らは毎晩ここにいてビールを飲んでるんだから。」
「街が分裂状態というのは?」
「ああ、あんたも聞いちゃいるんだね。」君が知らないとはっきり言っているにもかかわらず、彼はそう言った。「評議会が3週間ぶっ通しで開かれてるのがその理由さ。そんで、例の奴が例のことを企ててるって噂で‐。」
「一体誰のことだ?」
「誰かって?ヴィックだよ!あっしは彼がそんなことをするなんて思っちゃいないがね。例え力ずくで評議会を乗っ取れたとしてもだ。」
「ヴィックについて教えてくれないか?」
急に宿の主人が怯えた様子を見せる。「あんたはあいつのダチなのかい?そうなんだろ。おい、あっしは彼に投票するったら。ヴィックを第1貴人に!」そう言うと、彼は口をつぐんだ。
「エールはいくらだい?」君が尋ねる。
「もう切らしちまったよ。」手拭いをカウンターに投げ出しながら彼が答える。
「部屋は?」
「空きはないね。」むっつりと彼が答える。
君は酒場を後にして、広間の真ん中に戻った。

ジーラを捜して回る。だが、結局君を見つけ出したのは彼の方だった。ひときわ暗がりになった宿の隅から手を振っている。
「こっちで一緒に座ろう!」彼が呼び掛けてくる。「食事ならおすそ分けするよ。それに話し相手もね!」
「ありがたい。」君は彼に従ってテーブルに着いた。他に3人いたが、彼らは先刻の祭り会場で見かけた顔だ。
テーブルにはごちそうが並んでいる。丘キツネの足の揚げ物、カレー味の目玉豆、煮込んだ葉っぱと思しきオイル漬けの野菜‐。君は貪欲に味わった。
「それで、」ジーラが愛想よく言う。「あの後、どんな風に過ごしてきたんだ?運良く貴人達を見つけられたかい?」
「捜したんだが、誰も見つけられなかった。」
「無理もないさ。」ジーラが応じる。「サンサスが街の外に追放した貴人達を見つけるよりは、彼の心に上品さの欠けらを見出す方がまだましだね。」
他の者達が笑ったが、一人だけは首を振って静かに言った。「サンサスは誰も街の外に追い出してないわ。そんなことをしたら彼らを管理できないもの。代わりに全員を不具の身にしたのよ。」


【変化点】
・現在/最大体力:11/20→12/20(食事)

【感想】
この宿屋は原作でお馴染みのギロチン亭です。宿泊したら、あの主人のギロチンの罠に陥ることになります。が、この宿の真の恐怖はそこではなかった…!
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