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ソーサリー1:シャムタンティの丘 ブログトップ
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S1-40 5日目:暗殺者の待ち伏せに遭う [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

張り出した岩の下に半ば隠れた村の宿屋を見つけた。手ごわそうな若い女主人がパン焼き棒を手にして戸口に立っている。
「何をお望みかい?」女がキーキー声でどなる。
「一泊したい。」
「金貨5枚だよ。ビリタンティには旅人があふれ返っているからね。こっちは金払いのいい客だけ欲しいんだ。」
君は首を振った。「高過ぎる。あんたが経営しているのはみすぼらしい宿で、宮殿じゃない。」
引き返して村から出ていく君を彼女はあざ笑って見ていた。

寒々しい山が覆いかぶさる下に立ち並ぶ、葉を落とした林の中に踏み入る。ねじ曲がった根の間に休めそうな狭い空間が見つかった。
疲れ果てていた君はまぶたが閉じかかっていたが、まだ今日は食事をしておらず空腹でもあった。背負い袋を枕にして目を閉じると、胃袋がひどく鳴った。
夜が静かに更けてゆく。その晩は、山や谷、そして果てしない道を歩き続ける夢をみた。

木の下の寝床から朝早く出立する。
ビリタンティの向こう側の道に合流する。太陽が輝く宝石のように地平線に昇っている。
全てが順調にいけば、シャムタンティの丘にある最後の村トレパーニに今日のうちに辿り着くだろう。
少し坂を上ると、道は二手に分かれていた。丘を上る左の道と、丘を下る右の道だ。

坂道を上ることにする。勾配は急で、尾根にたどり着いたのは正午近くだった。道は再び下りになっている。君は今、丘の最も高い場所にいるのだ。
ここは木もまばらで、西にはどこまでも見晴らしがきく。そして、北の地平線にはカーレの街が時折ちらりと見えてくる。
立ち止まらずに歩き続け、木立ちに差しかかった。木々の間の影は濃く不気味だ。日陰に入り、目が慣れるまで少し時間を要する。
突然、君は立ち止まった。何かが、君の背後の木々の間で動いたのだ。少しして、木の間から鋼の先端が突き出され、君の首筋に触れた。
「俺を見たな。」声がささやく。「分かっているぞ。」
「俺は何も見ていない。」君は答えた。「あんたには何ら危険はない。」
「危険が迫っているのは俺ではないぞ。」
「お前は誰だ?」君が尋ねる。
返事はない。だが、木立ちの中から暗殺者の背の高い姿が現れた。男は全身黒づくめの装束で、熟練した手つきで鋭い半月刀を握りしめている。
手の届く距離にいたにもかかわらず、君はほんの少し前まで男がいたことなど気づきもしなかった!


【変化点】
・現在/最大体力:16/16→18/18(睡眠)→15/18(空腹)

【感想】
食事抜きの翌日は体力が低下するというシステムは良くできていると思います。ただ、体力があまり減っていないうちは、体力ペナルティ覚悟で食事制限することもできてしまいます。普通に考えたら食事抜きで旅をするのは非常に辛いはずなので、体力だけでなくパワー(技術点)にもペナルティを課した方がもっとリアリティが増したかもしれません。
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S1-39 4日目:グランドレイガーとジャンの助力に感謝 [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

酒場を出た君は、疫病の村へと戻る気の滅入る長い道のりを歩き始めた。
「本当にこんなことをするのかい?」ジャンが耳元でキーキー騒ぎ立てる。「あんたどうかしてるよ!」
君は彼の不平を無視して歩き続けた。
1時間後、雲の間に架かる長い橋と、谷の険しい斜面が視界に入ってきた。
「どこに行こうってのさ?あんたには使命があったと思うけど?」
「これは大事なことなんだ。」
「そうだけど、」ジャンが不機嫌そうに答える。「睡眠だってそうさ。」
君は何も言わずに歩き続けた。
数分後、突然ジャンが甲高い声で言った。「しっ。あれが聞こえるかい?」
「何が聞こえる?」
「僕達の後ろだよ。ほら。」
束の間息を止めたまま、じっと立ち止まる。ジャンは正しかった。何かが後をつけている。
「そこにいるのは誰だ?」君は誰何の声を上げた。
カサカサと音がして、人影が現れた。とても驚いたことに、それはグランドレイガーだった!彼の表情はやつれて悲しげだ。
「酒場を出たあんたがこの道を行くのが見えたんでな、」彼は言った。「若い愚か者がやろうとしていることがわしには分かったと思ったよ。それで、あんたを追ってきた。引き返そうとずっと思っていたんだが-、結局そうはしなかった。それで、今ここにいる。」
「あんたは俺を止めるつもりなのか?」
彼は首を振った。「いや、わしが代わりに行く。あんたはやるべきことがある。わしか?わしはもう老いぼれさ。この中の一人が疫病にかかるとしたら、それはわしでないとな。それに、わしらのうちの誰かが村人を救うとしたら、それもわしの手柄だ。英雄になれるチャンスはもう多くないからな。これを言いに来たというわけだ。」
「恩に着るよ。」
「感謝なんかしないでくれ。もう十分、良心の呵責から恥じ入っているんだ。」そう言うと、彼は君のそばを通り過ぎ、闇の中へと消えていった。

肩のジャンが君をつついてきた。
「何だい?」君が尋ねる。
「彼は信用できると思う?」
「俺は彼を信じるよ。」
「確信があるみたいだね。でも僕には分からない。」そう言うと、ジャンは突然君の肩を飛び立った。数フィート飛んでから、腕を組んで君を振り返る。「僕も行くよ。彼が言った通りのことを実行するか確かめるためにね。」口論を覚悟した様子で君を見つめている。
「ありがとう、ジャン。」
ほっと息をついて、彼がうなずく。「これは正しいことなんだから、やらなくちゃ。」それから彼は、羽音を立てながら暗闇の中へ飛び去った。
君はまた独りぼっちだ。
村人達は保護されることになるだろう。だが、君は彼らの感謝を受けるために留まることはできない。どこか眠る場所を探す時間だ。運が良ければ、明日にはカーレにたどり着けるだろう。


【変化点】
・精霊:サル→類人猿

【感想】
ここで彼をわざと挑発することもできますが(老いぼれの剣の腕じゃ俺を止められないぜ、的な)、その場合、グランドレイガーに一発殴られてのされてしまいます。昔取った杵柄とは、まさにこのこと。彼が疫病の村に向かってくれる点は同じです。もし彼に斧を返していたら、剣ではなく斧を持って現れていたのかは未確認ですが。
そして、なんとここでジャンと穏便に別れることができます!つまり、これ以降魔法が自由に使えるということ。これはデカい!もちろん、第4部で再会した時には、この後日談をぜひ聞きたいところ。
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S1-38 4日目:水晶の滝で妙案を閃く [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

思い出した!人里離れた山中にある疫病で荒廃した村だ。あの村人達をここに連れて来れば、彼らを救うことができるのではないか。
だが、もう時刻は遅い。あの疫病の村に歩いて戻れば、1日いやおそらく2日は費やしてしまう。
それに、あの村からこんなに近いのだから、彼らもこの滝を知っているはずだ。症状が重過ぎて癒やせないのだろうか?
誰かを村に送って確かめる必要があるが、君の使命はあまりに重要なので危険は冒せない。
ならば、グランドレイガーが適役ではないだろうか?カーレに住んでいたことがある彼なら、きっと旅慣れているはずだ。
君は村にとって返した。

先ほどより荒々しさを増した通りを抜け、グランドレイガーの酒場に入る。彼は前と同じようにバーの向こうにいたが、店内は静かなままだった。
「またあんたか。」彼は言った。「飲み直しかい?」
「いや、そうじゃない。」
「中に入りなよ。何を考えてるんだ?」
「俺のためにして欲しいことがある。」
「ほう、そうなのかい?」彼は興味深そうに言ったが、同時に警戒もしている様子だ。
「丘向こうにある村についてなんだが。」
彼は深くうなずくと、手ぬぐいをカウンターの上に置いた。「ああ、そうじゃないかと思ったよ。あんた、滝に行ってきたんだろ?」
「それはどういうことだ?」
「滝に魔法の力があると思ったんだな?皆と同じように。」
「そうじゃないとあんたは言うのか?」
グランドレイガーは首を振った。「あの滝は観光の名所だ。かき乱れた心を落ち着かせてくれる。だが、それだけのことさ。」
「だから、疫病は治せないと?」
彼は再び首を振ると、肩をすくめた。「できるとは思わないね。そりゃ、ひょっとしたらわしが間違っているかもしれんが、わしは自分が間違ってるとは思わないよ。」
「それでも試してみなければ。」
彼が三度首を振る。「もしも滝の水が疫病を癒やせるのなら、もうすでに村人がそこを訪れたとは思わないのか?滝は秘密でも何でもないんだ。いつでも簡単に答えが見つかるわけじゃない、そうだろ?」
君はがっかりしてうつむいた。「よく分かったよ。」
「彼らの心配をするとは、お前さんは優しい心を持ってるじゃないか。」彼はため息をついた。「だが、そのために眠る時間まで削ることはないさ。」
君は扉に向かった。


【感想】
このエピソードは原作にはありませんが、言われてみれば確かに、疫病の村と癒やしの滝はかなり近いので、この状況に対するアクションがあっても良さそうなものです。
相談相手としては、グランドレイガーだけでなく、滝で料金を徴収していたならず者を選択することも可能です。なお、グランドレイガーを選んだ場合、「もちろん、かつての勇者であるグランドレイガーが適役だ!」という文章があるのですが、今回のルートでは彼の素性を知らないはずなので、つじつまを合わせるためにこちらで少し改変しました。
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S1-37 4日目:水晶の滝で泳ぐ [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

酒場を出るて角を曲がると、『水晶の滝』への道を示した標識のそばに少女達が群れているのに出くわす。彼女達は大人が通りがかるたびに足を引っ掛けてつまづかせては、顔を見合せてくすくすと笑っている。
君は立ち止って、滝について彼女達に尋ねた。だが、彼女達はジャンの存在にすっかり気をそらされてしまい、彼をつついたり、くすぐったり、優しく話しかけたりしては歓声を上げている。
数分後、君は諦めて歩き出した。
「また戻ってきてね!」一人が叫び、別の一人も呼びかけてきた。「滝の水は身体にいいわよ!」
くすくす笑う彼女達を尻目に、その場を離れる。

山の中腹にある裂け目を抜ける道を歩いていく。やがて、空気が雷鳴のような轟きに満たされる。結構な上り坂だったが、岩の狭い裂け目を抜けて角を曲がると、ついに天然の大滝が初めてちらりと見えた。
頭上の崖から吹き出した滝の水は、両側にぶら下がった水晶の鍾乳石の間を流れている。
滝へ続くただ一つの道は、通りがかった者から金をまきあげるならず者のいる小屋の前を通り、垂直に露出した岩で終わっている。
君は肩のジャンをつついた。「この先を偵察してくれないか?この滝に金を払う価値があるか確かめるんだ。」
ジャンが力強くうなずく。「いいとも。でもすぐ戻るから、僕を追っ払おうなんて考えちゃだめだよ。あっという間に追いつくからね!」
彼が羽ばたいて飛んでいくと、君はすかさず呪文を唱えた。
「DUD!」
言い表せないような財宝が袖口からあふれ出す。
困惑して驚いたふりをして、君はならず者に声をかけた。「これで十分だろうか?」
男は自分の目が信じられなかったに違いない。彼は小屋に駆け込むと、金庫を持って戻ってきた。そして装身具、宝石、金貨などをその中に次々とかき込んだ。
「まあ、いいだろう。」そいつは言った。「これならあんたは贅沢なもてなしを受けられる。泳いでいる間は縁に生えている草やハーブを投げ入れるといい。気分が良くなる香りがするよ。」
そう言って金庫のふたを閉めると、彼は小道を駆け下りていった!あの勢いなら、騙されたと気づくまでに遠くまで行っていることだろう。
肩の辺りで羽ばたく音がして、ジャンが戻ってきたと分かる。
「大したものじゃないね。もし金を払うなら、無駄になると思うよ。」彼がささやく。

滝に近づく。水は力強く滝つぼへと流れ落ちている。
君は服を脱ぐと、その中へ飛び込んだ。ジャンは水しぶきの中をひらひらと飛んでいる。
冷たい水は爽快で、君はすぐに活力がみなぎってくるのを感じた。
君の中で自信が大いに高まる。ここに来たのは今までで最良の決断だ!
「だが、待てよ。病を癒やす水だって?」君の中で何かが頭をもたげた。それは何かとてつもなく重要な意味があったような…。


【変化点】
・現在/最大体力:9/16→8/16(魔法)→16/16(水晶の滝)

【感想】
原作ではジャンが片時も離れてくれないので魔法が使えませんが、Android版では今回のような選択肢もあるのです。
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S1-36 4日目:酒場の主人グランドレイガーと語らう [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

騒ぎを避けて酒場に入る。バーの向こうでは、恰幅のいい男がぼろ切れでジョッキを拭いている。
「いらっしゃい、旅の人。」彼が呼びかけてくる。「わしはここの主人のグランドレイガーだ。」
「どうも。今日は長旅でね。」
「そうだろうと思ったよ。まあ座ってくれ。」
君が座ると、ジャンはカウンターに飛び乗った。グランドレイガーはその生き物に驚くよりむしろ面白がって見ている。
「エールは一杯いくらだい?」
「金貨2枚だ。この街で一番の味だよ。というより、この街でエールと呼べるのはうちのだけ、それは確かだ。」
君がカウンターの上に金貨を2枚置くと、グランドレイガーはビールのジョッキを差し出した。泡立ったそれは暖かく、とても元気づけられた。
「旅に出て、もうずいぶん長いようだな。」グランドレイガーがほほ笑む。
「あんたに分かるわけがない。」君が答えると、彼は黙ってうなずいた。「それより、この村について教えてくれないか?」
グランドレイガーは肩をすくめた。「語ることはそんなにないさ。あんたの見たまんまだ。カーレとカントパーニを結ぶ唯一の道の途中にあるおかげで、この場所は今も栄え続けている。この山々のどれか一つが崩れるか川が凍るかすれば、2週間後にはここは廃れちまうだろうよ。」
「あんたのことを話してくれ。」
「わしか?何故だ?」彼は両手を広げた。「わしはうんざりするほど普通の男だ。あんたの見たまんまだ。わしがいつも言っているようにな。」
「あんたに贈り物があるんだ。」
「ほう、そうなのかい?」彼が興味深そうに君を見る。
「これなんだが。」君は川で見つけたロケットをカウンターの上に滑らせた。「これはあんたにとって何か意味を持つかい?」
彼はそれを手にして、珍しげに眺めた。蓋を開けて若い女性の肖像画が露わになると、彼の顔が赤く染まった。「これをどこで手に入れた?」彼が君をにらみつける。
「拾った物だ。」
グランドレイガーは仁王立ちになり-、そして笑い出した。「いや、ただの冗談さ。その女性は一度も見たことがない。わしの恋人でもないし、彼女ならカーレに住んでいる。」彼はロケットを閉じると、それを下に置いて君につき返した。
「俺はカーレを目指しているんだ。」
「もちろんそうだろう。」彼はニヤリと笑った。「あんたにそう言わなかったかい?」
「カーレについて何か教えてくれないか?」
「ああ、カーレか。さっき言ったように、わしはかつてあそこで恋人と暮らしていた。あそこは愛の街だ。カーレでは、毎日が人生最後の日だと思って過ごさなくちゃならん。そうなる可能性が高いんだからな。そして今や、かつてないほど盗賊のはびこる都市となった。あんたはおとなしく故郷にいた方がいいと思うぞ。」
「俺には魔術がある。」
「なら、そいつがいない方がいいだろう。」彼はジャンを指さした。その小さな生き物は落ち着かなげにそっぽを向いた。酔っ払って気分が悪そうだ。
バーを拭く仕事に戻ったグランドレイガーが、思い出したように言った。「あんたはトレパーニを通って行くつもりだろう?あそこのスヴィンはいつもは陽気な連中なんだが、近頃ずっとふさぎ込んでいる。あの場所には憂慮すべき現実的な問題があるんだ。」
「彼らにどんな問題があったんだ?」
「ああ、ええとだな。」しばらく考えてから、彼は声に出かかった何かを振り払った。「あんたにとって重要なことじゃない。」
カウンターからジャンの盛大なげっぷが聞える。彼は君のジョッキからこぼれ落ちたエールをちびちびすするうちにかなり酔っ払っていた。ジャンを指でつつくと、彼は指によじ登ってきたが、前のめりに倒れて床で伸びてしまった。
「置いていきたいなら、そうしてもらっても構わないよ。」グランドレイガーが言った。「つまみ上げてジョッキの中に入れてやろう。」
だが、君はあえてそうしなかった。ジャンは最後にようやく目を覚ますと、フラフラと飛んで君の肩にとまった。「愛してるぜ。」彼が君の耳にささやく。


【変化点】
・現在/最大体力:7/16→9/16(エール)
・金貨:15→13(エール)

【感想】
今回はカントパーニに立ち寄っていないので斧はなしです。Android版では、第2部でカーレに着いてからでもヴィックに関する手掛かりは入手可能なので、斧の重要性はやや下がっています。なお、原作でのヴィックは単なる顔利きのような存在でしたが、このAndroid版ではカーレにとって超重要人物となっています。
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↑謎のスローガン「第1貴人にヴィックを!」
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S1-35 4日目:ミニマイトのジャンが旅に同行、ビリタンティへ [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

丘を少し下ったところで一休みする。大きな岩に腰掛け、この先がどうなっているのかうかがう。道はずっと谷間の方へと下り、3つの峰に囲まれるような位置に村がある。この辺りにしてはずいぶん大きな村だ。
君の後ろでは、太陽が急速に傾きだしている。間もなく夜になる。
村は立ち寄るのに都合がよさそうだ。君は岩から飛び降りて歩き出した。
突然、道に張り出した枝が顔をかすめたかと思うと、陽気で甲高い声がした。素早く周りを見回すと、君の肩の辺りを小鳥くらいの生き物が飛び回っている。子供のようでもあるが、肌は緑色で痩せこけており、透き通った羽根を動かしてひらひら飛んでいる。やがてその生き物は親しげに君の肩にとまった。そいつは爪の生えた小さなつま先であぐらをかいている。
「SIX!」
そいつを驚かせて追い払おうと、君は呪文を唱えた。が、何も起きない!
その小さな生き物はくっくっと笑いながら言った。「僕がそばにいる間は、魔法を使おうったって無駄だよ!」
「それはどういう意味だ?」
「いたって簡単なことさ。」そいつが答える。「僕は魔法の存在なんか信じちゃいない。見たこともないね。なぜって、僕がいると魔法は決して働かないからさ!」
「小人君、君の名前は?」
「ジャンだよ。」その生き物は甲高い声で楽しそうに返してきた。
「君は何者だい?」
そいつは後ろに宙返りしてから丁寧にお辞儀をした。「僕はミニマイトなんだ。あんたに会えて嬉しいよ。」そう言うと、そいつは小さな手を差し伸べて、君の耳たぶと握手した。
「あの村について何か教えてくれるかい?」君は谷を指さした。「安全なのか?」
「あそこはビリタンティ、とても安全な場所だよ。シャムタンティの丘で最も大きい村なんだ。この道を行く旅人は必ず一晩あそこに泊まっていくんだから。少し値は張るけど‐ミニマイトには特にね。それでも十分愉快だけど。」ジャンは上へ下へと飛び回りながら、痺れを切らしてぷりぷりと言った。「さあ、もう行こうよ。」
「なぜ俺と一緒に行きたいんだ?」
「あの村を見たろ?最後にあそこを通り抜けようとした時、あいつら僕はお断りだって言うんだ。誰かと一緒にいれば、それももう気にしなくて済むからね。」
「俺が行こうとしている場所は危険なんだ。俺と一緒にいると、君は殺されるかもしれないぞ。」
「僕には羽根があるんだ。誰も僕を捕まえられっこないさ。」ジャンは肩をすくめると、君の肩を飛び立って、もう一方へと飛び移った。「そんなに急いでないんだろ?」ジャンが君を見やる。「それとも、野ざらしで眠りたいのかい?」
「やれやれ、じゃあ行こうか。」君の言葉に興奮したジャンは、君の耳と再び握手をした。

君達は連れ立って、谷底へと道を下っていった。
両側の丘はどちらもそびえ立つように高く、村に濃い影を落としている。薄暗く圧迫されるような印象さえ受ける。だが、通りから遠く聞こえてくるのは、陽気な笑いとにぎわいの歓声だ。
通りを歩き続ける。浮かれ騒ぎの喧騒がどんどん大きくなってくる。谷の影の中にあるこの場所では、そしてわびしい旅路の後では、むしろ怖いくらいだ。村では底抜けに陽気なお祭りが繰り広げられている!
「ほらね?」ミニマイトが君の肩の上から声をかけてくる。「ここは楽しい場所だって言っただろ?」
「ジャン、ここで何が起こっているんだ?彼らは魔法をかけられているのか?」君が尋ねる。
ジャンは頭を振った。「違うよ。もしこれが魔法なら、僕にはそうと分かるからね。これは子供のお祭りなのさ。」
「それはどんなものなんだ?」
「まあ、あれをご覧よ。」ジャンが小さい手を振って示す。「年に一度だけ子供達だけに許される無礼講で、いたずらをしては大いに楽しむ日なんだ。」
すぐにジャンが言った意味が分かってくる。最初の幾つかの建物を過ぎると、そこでは大勢の子供達が通りに腰を下ろして、大振りのジョッキからエールを飲んでいた。その向こうでは、一人の少年がお婆さんを膝の上に載せて尻をぴしゃぴしゃと叩いている。『グランドレイガー酒場』という看板の出ている小屋の前では、ひとかたまりの少年達がケンカしている。どこも完全に混乱した状態だ。
君はお婆さんを助けることも考えてみた。だが、できることは何もないと分かって諦めた。結局のところ、これは彼らのお祭りなのだ。


【変化点】
・現在/最大体力:8/16→ 7/16(魔法)

【感想】
主人公のマスコット(天敵?)、ミニマイトのジャンが登場。ソーサリーシリーズの味わい深い挿絵では、キモ可愛い感じに仕上がっています(比率はキモい方が勝っているような気が)。
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S1-34 4日目:見張り番のトロールと戦う [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

谷の斜面の半ばで小休止をとる。息は切れ切れで、心臓は激しく脈打っている。
見ると、道から少し引っ込んだ所に木でできた掘っ建て小屋が建っている。君がそうしたように、やぶの後ろに隠れて見えないようになっている。
2、3分後、一匹のトロールが頭を屈めて小屋の戸口から出てきた。この辺りの何か―おそらくゴブリンの別の鉱山―を守っているのか、もしくは今は廃墟と化した町を守るために何年も前にここに配置されたのか…。
数分の間、そいつは小屋の外に立って、あちこちに目を走らせていた。巨大な頭が水車のような速さと機敏さで動く。
それから奴は丘の湾曲した辺りへ歩み去った。再び現れるまで少し時間がありそうだ。
君はこの機を捉えて、何かをくすねようと小屋へ駆け寄った。
小屋の中は殺風景だった。窓や扉はない。低いオーク材のテーブルが中央にある。一隅の毛布の山が唯一の慰めだ。
テーブルの外観と汚れから判断すると、トロールはここで刃を研いだり、ウサギの皮を剥いだり、眠ったりしているのだろう。木の幹を割いた天板には深い傷が刻まれ、それを支える4本の太い脚はかなり頑丈だ。
テーブルの下をのぞいたが、トロールの食事で捨てられたウサギの骨や毛皮といった残飯があるだけだった。
部屋の隅にある毛布は、かつては目の細かい上物だったに違いない。長い年月の間に擦り切れており、明らかに一度も洗われていないため、織りの隙間にハエが卵を産みつけている。
奴がそろそろ戻ってくる頃だ。もう行かなければ。

突然、入り口を影が横切った。トロールが戻ってきたのだ。
怒りで唸りながら、剣を構えている。君は戦わなければならない。
「DUm!」
君が呪文を唱えると、一回の鼓動の間に、そいつのずんぐりした体形はさらに鈍重になった。
トロールはなおも君に向かってきたが、自分の剣を手から蹴り飛ばしてしまった。悪態をつきながら剣を拾おうとするが、またしても取り落してしまう。
今や奴は容易い―あるいは、間違いなく逃げ切れる相手だ。君は剣を抜くと、混乱した敵の周りを回って、飛びかかる体勢を整えた。

<第1ラウンド>
トロールが足を踏み鳴らして前に出た!奴は距離を置いて、小さな楯の向こうでゴキブリのようにうずくまっている。君は一撃で切り伏せようと剣を強く振るう。ほとんど運のおかげではあったが、奴はその攻撃を弾くことができた。気をよくしたトロールは、あまりに喜び過ぎて剣を取り落としてしまい、慌てて拾い上げる羽目になった。

<第2ラウンド>
大声を張り上げるトロールに対して、プレッシャーをかけ続ける。剣をひるがえして柄で殴りつけると、奴はよろめいた。反撃は剣で打ち返す。

<第3ラウンド>
剣を何度も打ちつけた後、素早い突きを放つ。そしてついに、そいつの首をはね飛ばす!

トロールは死んだ。手早く小屋の中を探ると、毛布の山の中に隠された3枚の金貨を見つけた。それから小屋を抜け出し、旅を続ける。

1時間後、丘を上り終えた。太陽が急速に傾きだしている。
ここはあの当てにならない橋の反対側だ。振り返ってもう一度眺めても、すこぶるしっかりと存在しているように見え、それを選択しなかった自分が愚かにさえ思えてしまう。だが、仮にこの道を戻ったとしたら、それが死の罠であることを思い出す羽目になるだろう。
日が暮れる中、君は斜面を下り続けた。


【変化点】
・現在/最大体力:13/16→11/16(上り坂)→ 8/16(魔法)
・金貨:12→15

【感想】
ここでの戦利品は、原作では幸運のお守りも手に入りましたが、Android版では運点は廃止されているので金貨のみとなっています。
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↑「DUm」で弱体化したトロール
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S1-33 4日目:ジャイカー廃鉱山で魔物から間一髪逃げのびる [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

石の張り出しに沿って歩く。斜面は急で、つまずかないように歩くのは困難を極めた。
谷底は干上がった川で、遥かな昔に失われた流れで摩耗した石に覆われていた。近くの岩肌には小さな洞窟が口を開け、その外に錆びた機械が放棄されている。鉱石を運ぶ荷車が通った広い上り道が対岸の斜面にある。
少しの間立ち止まり、息が整ってから辺りを見回す。
しばらくの間、川床のそばの泥にうねを残す古代の機械群の間を歩き回る。じょうご状の口とスパイクの生えた車輪のある巨大な装置は、今は錆びて赤褐色となっている。そして、機械の間をつなぐ滑走台は、つる、ヘドロ、泥で厚く覆われている。これらが何のためのものであれ、何十年、いやおそらく何世紀もの間、使われた形跡はない。
川床を見下ろしても、ただ石が敷き詰められているだけだ。その中から、手ごろな玉石を選び、背負い袋に入れる。運ぶには重いが役に立つものだ。

鉱山の入り口に近づく。深みから吹く湿った風が君を迎える-鉱山の縦坑がどこかに通じているに違いない。内部は真の闇で、松明も見当たらない。そして、君自身も明かりになるようなものは何も持ち合わせていない。
君は少しだけ中へ忍び足で入った。濡れた岩が頭上にある。空気が急に冷たく静かになった。君の息づかいがこだまする。狭く暗い空間はほとんど脅威だ。岩壁はつるはしで削られているが、まだどこか粗削りなところがある。
足元で砂利が音を立てる。
「HOT!」
君は呪文を唱えて、手のひらに火の玉を作り出した。縦坑が光で満たされる。
前方を見ると、坑道はT字路になっており、それぞれ鉱山の深くへと下っている。
だがその時、左の坑道から何かが近づいてくるのが見えた。巨大な目とかぎ爪の生えた足をしている。そいつは悪意のこもった怒りで吼えると、君に向かって突進してきた!
とっさに君は火の玉を怪物目がけて投げつけた。肉が焼ける匂いがして、そいつはほとんど人間と同じような苦痛の唸り声を上げた。
化け物が立ち直る前に、回れ右をして走り出す。そして、太陽の下に出ると、谷を上る道を駆け上がった。サルの精霊に、体力の回復と奴が追ってこないことを祈りながら…。


【変化点】
・現在/最大体力:11/16→8/16(魔法)→13/16(祈り)
・+玉石(3個)

【感想】
後に、このシャムタンティ一帯の鉱山の由来や、ジャイカーやトレパーニの廃鉱に怪物がいる理由が判明します。リメイク時に原作のプロットをつなげて作り出されたのでしょうが、王たちの冠そのものが絡んでくるとても壮大なストーリーとなっています!
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S1-32 4日目:吊り橋でヴァンカスに追い返される [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

橋へと続く岩棚を上る。今にもそれが羽ばたいて飛び去ってしまうのではないかと思いながら。
断崖をくねくねと曲がりながら上り、ついに巨大な礎石に深く固定されている橋のたもとへたどり着く。橋のそばにはむさ苦しい小屋が建っている。
その掘っ建て小屋は、ゴブリンが住むのにかろうじて足りるほどの大きさしかない。だが、何者かが風変わりな様式-色あせた木の陰や血の色をした雲の中に描かれた大小の人物の輪郭-で外壁を飾っている。そして、これらの人物の幾人かについては、あたかも家の構造の一部であるかのように、壁そのものから実際に骨が突き出ている。
もちろん君はすぐに理解した。この家にも橋にも、魔法や呪術の臭いがする。
小屋に近づき扉を叩いても返事はなかった。だが、それより奇妙なのは、扉を叩いても何の音もしなかったことだ。まるで水の表面をこぶしで叩いているかのようだ。
だが、問題はない。小屋は古くむさ苦しいから無人なのだろう。君は橋に向かって冷静に歩き出した。

数歩進んだ時、背後から呼びかける声がした。
 「見知らぬ者よ、待ちなされ!」
振り向くと、小屋の扉から醜いせむし男が出てきたところだった。
 「ここを通っていきたくば、
  ヴァンカス様の二つの問いに、
  ちゃんと答えてもらおうか。」
君は男に聞き返す。「ヴァンカスってのは誰のことだ?」
彼はまばたきした。おそらく驚いたのだろう。それから彼は自分の胸を親指でトントンと軽く叩くと、少しだけ背をまっすぐ伸ばそうとした。
さらに君が尋ねる。「なぜ答える必要がある?」
男は謎かけのような口調で答えた。
 「汝、ヴァンカスの橋を越えていきたくば、
  愚かでなきこと、番人に確かめさせよ、
  汝、友であり、友となりたくば、
  尋ねられし問いに答えてもらおうか。」
君は頭を振りながら苦笑すると、振り返って橋を渡り続けようとした。

ヴァンカスがしたことは君には見えなかった。だが次の瞬間、踏み出した君の片足は橋の床板を通り抜けていた。ロープを掴もうにも、それも実体のない空気となっていた。
転落を食い止めるすべはなく、君は地面に落下した。ただ幸運なことに、まだ橋を少し進んだだけだったため、かすり傷と打撲だけで済んだ。
奴が小屋の中へ戻っていく。頭上では、橋がひそかに元の姿に戻っている。
激高した君が尊大な卑劣漢を串刺しにしようと丘に這い上がった時には、奴の姿はすでに消えていた。
小屋の扉は閉じられていたが、君はそれを開け放とうと飛びかかった。だが、手は扉を素通りしてしまう!
仕方なく、君は扉を開けるのを諦め、谷へ下りるもう一つの道を進むことにした。


【変化点】
・現在/最大体力:13/16→11/16(落下)

【感想】
この橋には番人ヴァンカスがいますが、今回はジャイカー廃鉱山に行く新ルートを選択するので顔見世程度です。なんと彼は、Android版の第3部で再登場します。謎かけ以上の技を披露してくれる手ごわい(&ありがたい)存在として。
S1-Vancass.jpg
↑彼の謎かけの中に気になる一文が。ヴァンカスとアリアンナは兄妹?
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S1-31 4日目:疫病の村ウルスタンティを迂回 [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

家主の詮索を避けるため、朝早く起きて通りに出る。数分の後には、ダンパスを出て街道に戻ることができた。
1時間かそこらすると、道は二本に分かれた。一本は曲がりくねりながら丘へ上り、そのてっぺんには孤立した集落らしきものが見える。もう一本は丘を下り、不毛の岩場へと続いている。

丘を上る道を進むことにする。なだらかだった上り坂は急な斜面に変わり、君は昼までに何度も小休止をとらなければならなかった。今までは丘の中腹を歩いてきたが、これから旅はより厳しいものになっていくだろう。
ようやくてっぺんに着くと、丘が一望のもとに見渡せた。道が掘っ建て小屋の並んだ小さな村に続いているのが分かる。通りには村人がいて、話したり働いたりしている。楽しげで活気に満ちた場所のように見える。
見晴らしのいい場所にもう少し留まり、何も変わりがないか様子をうかがう。しばらくして、君は村人達の動き方がどこか奇妙なことに気づいた。足を引きずって歩いている者を一人見つける。そしてもう一人。這いずっている者さえいる。ついには、どの村人も動くときに苦しんでいるのだと君は理解した。
その場に身を隠して観察を続ける。やがて、村に何が起こっているのか君は理解した。これは絶望的だ。そこには笑いも、喜びも、商いもなかった。女は歩こうともせず、男はそんな女達を見ようともしない。これではまるで捕虜収容所ではないか!
観察はもう十分だ。低い雑木林に逃げ込むと、弧を描いて村を避けながら遠くに見える橋へ向かう。
歩きながら後ろを振り返り、今になって気づく。何軒かの扉には赤い十字の印が描かれている。それは疫病の印だ。君は身震いすると、サルの精霊に感謝した。

道は険しいガレ場の斜面を下りながら森へと入っていく。立ち並ぶ木々の間から道の先をうかがい知ることは難しくなるが、他に選択の余地がなかったため、君は進み続けた。
唐突に、谷底から遥か上に張り出た岩棚に出る。岩棚は前方で左右に分かれ、他に道はない。
左を見ると、割れた岩でできた狭い岩棚が霧の立ち込める谷へと延々と下りていく。反対側に上る道があったとしても、ここからでは分からない。
次に振り向いて右手を見ると、谷の霧が晴れるに従って、途方もなく長い橋が視界にぼんやりと現れた。まるでたった今そこにできたかのようだ!厚板とロープでできたその橋は、こちらとあちらの丘のてっぺんから吊り下げれられている。誰がどのくらい前に、このような素晴らしいものを造ったのだろう?
もうしばらく橋を眺める。それは優美な曲線を描いて谷に架かっており、時おり吹く風にわずかだが揺れている。
それにしても、見れば見るほど完璧な橋だ。そんな橋が実在するのだろうか?それともあれは、不注意な旅人を騙すための単なる幻に過ぎないのだろうか?
再び歩き出そうとして、バランスを取り直す。ひとたび足を滑らしてしまえば、谷底へ真っ逆さまだ…。


【感想】
Android版では、この疫病の村にウルスタンティという名前が付けられました。村人と接触すると、ここの住民が実は近隣の村(ビリタンティやダンパスなど)から追われてきた人々であることが聞けます。なぜ追われてきたのかはよく分かりませんが。既に疫病に罹患していたから?
WS008284c.jpg
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