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S2-87 9日目:疫病の女性を助ける [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

その時、通りの先から音が聞こえてきた。首の回りに鈴をつけフードを被った人影が、足を引きずりながら近づいてくる。
長く黒いローブがその生き物の正体を包み隠している。凄まじい痛みが走るためなのか、そいつの足取りはノロノロと重い。一歩ごとに首の周りの鈴が音を立てている。
「やあ、こんにちは。」君が声を掛ける。だが、その人物は君の方を見ようともせず、なおも歩き続ける。
そいつが近くまで来た時、その苦しそうな息遣いが聞こえてきた。
「dOC!」
君は呪文を唱えると、強い治癒薬を創り出した。魔法が続く限り、その効果は続く。だが魔法が消える前に使ってしまわねば、薬は蒸発してしまう。
フードの人物が通り過ぎる。その時君は、これと同じ死臭を丘陵地帯のウルスタンティの村で嗅いだことを思い出した。そいつと服が触れないように後ずさる。
そいつを待ち受けた君は、フードの下目がけて薬をぶちまけた。恐慌に陥ったそいつが、爪の伸びた手で顔を覆い、甲高い悲鳴を上げる。
しばらくして、声が途切れ静かになった。手が顔をまさぐっている。
やがて手が降ろされると、そこには若い女性の顔があった。君はまさに、漆黒の腫れ物が彼女の肌から融け落ちるのを目にしたのだ。
「親切な旅の方、」彼女がささやく。「あなたは何をしたの?」
「君の病気を治したのさ。でも、あれは何だったんだ?」
驚きで女性が笑う。「私は酷く苦しんでたの。もうこの先長くないと思ってた。でも今は以前と同じように元気になったわ。それがどんなに良い気持ちか、ほとんど忘れかけてたくらい。」
「それは良かった。」
彼女がうなずく。「嬉しいを通り越して、」彼女が答える。「心が張り裂けそうなくらいよ。」にっこりと彼女が微笑む。「私は村に戻るわ。母がきっと喜ぶから。私が病に倒れた時、母は自分を責めたの。本当に奇跡だわ。」
「それはどこの村だい?」もう答えは分かっていると思いながらも君が尋ねる。
「丘陵地にある小さな村よ。」肩をすくめて彼女が答える。「あなたはきっと知らないと思う。」
「ウルスタンティ?」
女性が眉を寄せる。「そんな場所聞いたことないわ。」
「ビリタンティの近くなんだが。」
「そのビリタンティが私の故郷よ!」嬉しそうに彼女が叫ぶ。「あなた知ってるの?」
「君の外見はビリタンティの女性っぽいからね。」
うなずきつつも、彼女が眉をひそめる。「私はそれを誇りにしてるのよ。」
「もう行くわ。」そう言って、彼女は一歩踏み出した。「道のりは長いもの。」
「この街について教えてくれないか。」
「もちろん。」彼女が応じる。「教えてあげられることはあまりないけど。カーレに着いてからそんなに街を見てないもの。私が病気だと分かると、街の人達はこの荒れ果てた場所に私をすぐに放り出したから。」
「ここには何がある?」
「廃墟と失われた希望が。」彼女が答える。「崩れた教会に盲目の男が住んでるわ。私が思うに、あの人はかつての貴人よ。」
彼女は振り向いて、沈んでいく太陽を肩越しに見やった。「もう行かないと。」
衝動的に、彼女は伸び上がって君の頬に素早くキスした。そして最後に振り返って君に告げた。「倒壊地区に行くつもりなら、水車には近づかないで!」


【手掛かり】
・ズィーター卿は廃墟にいる:ズィーター卿は廃墟で見つかるだろう。街の倒壊地区の廃墟で乞食をしている。

【変化点】
・‐ブリムベリーの搾り汁(1本)

【感想】
3度目のキス…!
この場面で主人公が、彼女がビリタンティ風に見えると言ったところ、彼女は「raise an eyebrow」という反応をしています。一時的とはいえ、どうも機嫌を損ねたようです。
当初、このS-87を掲載し忘れていました(5/23修正)。
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teamtomtom

追加情報。彼女に出身地を尋ねる代わりに、どうやって帰るのかを訊ねた場合。

主人公「どうやって帰るんだい?武器なしで一人で帰るのは危険だよ。」
女性「これがなければね。」そう言うと、彼女は首の周りに鈴の付いたマントを持ち上げてみせた。「呪いが今度は私を救ってくれるわ。」
「それは燃やすんだ。」君が物知り顔で言う。「衣服が病気を運ぶこともある。」
「でも、私にはこれしかないもの。」落ち着かなげに彼女が答える。しばらく思案した後、通りの向こうの何かに目を止める。「ああ、解決方法が分かったわ。この街は最近洗濯日なのよ。」最初に見た時とは打って変わって、快活に笑っている。

また、主人公が女性の場合は、キスではなく、固く握手してから別れることになります。
by teamtomtom (2017-08-19 13:36) 

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