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S3-45 12日目:嵐が残した傷跡 [ソーサリー3:七匹の大蛇]

上ったり下ったりしながらも、歩調が安定してくる。空には星があふれ出ている。
特徴のない風景は君の興味を何ら引かないが、遠くの方に深い森林の端が見える。
冷たい風が通り道を吹き抜け、君は身体を震わせた。
マントをしっかりと身体に巻き付けて歩き続ける。
少しして、さらに一陣の突風が吹き付け、ほとんど仰向けに倒れそうになる。
空を見上げると、黒雲が集まり、雷鳴が轟いている。だが東も西も空は晴れたままだ。君は嵐のど真ん中にいるのだ!
もし嵐が近づいているのなら、風雨が強くなる前に避難場所を探した方が賢明だろう。
雷鳴が大きくなってきた。岩の割れ目を探して目を走らせる。
岩のひさしを見つける。そこに駆け寄って中に潜り込み、マントを掛けて覆いをする。
だが空は暗いのに、雨は降ってこない。代わりに風が強まり、まるで君を避難場所からほじくり出そうとするかのようにうなりを上げてくる!
君は荷物を引っ掴むと、身体の下に置いた。近くの石が持ち上がり、君を地面に打ちのめす。
他にできることは何もない。君は座ったまま、震えて血を流しながら嵐が過ぎ去るのをひたすら待ち続けた。

ついに嵐が過ぎ去り、静けさが耳の中でこだまする。耳をつんざくような気さえする。
再び立ち上がる。平原は薙ぎ払われ、前以上に平らで特徴のないものになっている。
歩みを再開する。その時、ブーツの先が何かに当たる。
見下ろすと、平原の滑らかな岩の表面に長く深い傷が入っている。それは北東から南西に向かって、4歩くらいに渡って走っている。その最後の方には、別の傷が最初の傷から離れていく方向に刻まれている。
それをたどっていくと、これが『V』の字を成していると気づく。
真ん中には3番目の傷が水平に走っている。こんなもの、以前にはなかったはずだ!
この岩は焦げている。稲妻に打たれたのだろうか?
ここで立ち止まっているわけにはいかない。別の文字を見つけるまで、岩の左側に回り込んで歩いてみる。
岩棚の端を見上げてみるが、何も見つからない。
『V』の字の下を探る。ひさしの付け根には次の岩の層があるが、そこにも何も見当たらず、ただ砕けた塵と焼け焦げた草があるだけだ。
左の方に歩いていくと、垂直に走った別の傷が見つかった。それまでは氷河で生じた割れ目だとほとんど信じそうになっていたが、次に見つけた傷はその考えを一掃してしまった。
垂直の傷のそばにあったのは、少し斜めに走ってから半円に描かれた曲線だった。その弧はあまりに完璧過ぎ、自然に生じたとは到底思えない。力強い爪で岩に深く刻まれたひっかき傷だ。
傷の向こう側に回り込み、別方向から眺める。
すると、傷の込められた意味がたちまち理解できた。今までは誤った方向から見ていたのだ。これらは『AIR』の文字だったのだ!
岩に刻まれたこの文字は嵐によって残されたのだろうか?それとも、あれは気の大蛇そのものだったのだろうか?
ここにはこれ以上何も見つからない。再び平原に目を向けて、旅を続けるとしよう。


【変化点】
・現在/最大体力:13/17→11/17(嵐)

【感想】
前哨戦再び。この嵐の中を強行軍したり避難場所から逃げ出したりすると、大雨が降ってきて、水に弱い持ち物(食料や呪文書以外の紙)を全て失ってしまいます。最悪、気の大蛇の放つ稲妻に打たれて即死することも。恐るべし、大蛇のパワー!もっとも、選択肢によってはここで倒すことでもきます。
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S3-44 12日目:沼ゴブリンから巻き物を譲り受け、再会したロラグに見せる [ソーサリー3:七匹の大蛇]

再び北に引き返す。足元の平原が水浸しになり、沼地ができている。月が昇り、辺りを銀色の光で満たす。
突然、騒々しい叫び声や水を跳ね散らす音が近くのヨシの茂みから聞こえてくる。
君は声が近づいてくるのを待ち受けた。
やがて、その音の主が沼ゴブリンだと分かる。連中はまるで何かから逃げているかのように、息を切らせて空き地に駆け込んできた。
「RAp!」
荷物からかつらを引っ張り出して頭に載せてから、呪文を唱える。ゴブリンの耳障りな声が理解できる言葉へと変わる!
「こいつは何者だ?」最初のゴブリンがしゃべる。
「お前達と戦うつもりはない。」君が答える。君が彼らの言葉を理解できるだけでなく話せると知って、ゴブリンどもはほとんど飛び上がらんばかりに驚いた!
「あんまり時間がない。」2番目のゴブリンが言う。「俺達は逃げなきゃならねえんだ!」
「何から?」君が尋ねる。
「恐ろしい大蛇に追われててよ、」1匹目が返す。「だがな、俺達がどんなに速く走っても、奴はいつも先回りしてやがる。俺達が何をするか毎回知ってるみてえなんだ。」
「そいつは何故お前達を追っている?」
奴らが困惑して首を振る。「魔女ブリアに会って以来追われてるんだ。」巻き物を振りかざしながら1匹目が言う。「あの婆さんはこの巻き物があれば俺達は助かると言ったんだが、実際はこの有様さ!」
「それが何であれ、大蛇はこの巻き物を恐れているんだ。」2番目のゴブリンがうなずく。
「ここにいるのはどの大蛇だ?」
ゴブリンには君の質問が理解できなかったようだ。「どの、だと?こんなの1匹でも十分酷いっていうのにか?そいつは俺達が何をするか決める前に、俺達の動きをもう知ってるんだ!」
「その巻き物を俺に寄越せ。」君が命じる。「さもないとお前達の命をもらう。」
ゴブリンどもが互いの顔をおぼつかなさそうに見やる。「この巻き物だけが俺達の希望なんだ。」1匹目が言う。
「俺は魔法使いだ。その巻き物を読んでやろう。」
奴らが互いに顔を見合わせてからうなずく。「やってみてもよさそうだな。」1匹目が言う。巻き物を手渡すと、連中は後ずさった。まるで君の足下の地面に穴が開くとでも思っているようだ。
もちろん、何も起こらなかった。巻き物を開いて眺めたが、あいにくそれは君には理解できない言葉で書かれていた。君の呪文をもってしてもだ。
君はゴブリンどもにうなずくと、巻き物の礼を言った。
「俺達は先を急ぐぜ。」1匹目はそう言うと、仲間に合図した。沼地を抜ける道を選び、その場を離れていく。君は脇にどいて連中を行かせてやった。
彼らはネズミのような速さで駆けていった。

唐突に湿地の端にたどり着く。
平らな地面によじ登る。ここで寝るのは愚かな行為だろう。雨風にも動物にも無防備だからだ。場所を替えるべきだ。
その時、急に周囲が静まり返る。夜の空気そのものが静止している。
遠くから声が聞こえてきた。
「そこにいるのは誰だ?」君が呼び掛ける。
「ごきげんよう、」老人の声が返ってくる。自己満足しているような声音だ。「バクランドは我が麗しの街と同じくらい親切に、お前をもてなしているだろう?」
声の正体を悟るのに少し時間がかかった。カーレの魔法使い、ロラグだ!
「これは夢に違いない。」
「いいや、」声が答える。「そう思うかもしれぬが、そうではない。」声がこちらに近づいてくる。
「あんたはここで何をしているんだ?」
「お主が魅力あふれる我が街を救ってくれたように、わしもお主を助けてやろうと思ってな。理解できぬ文章を抱えているのであろう?わしなら助けられるやもしれぬぞ。」
「どうしてそれを知っている?」
「そうか、当たりか!」魔法使いが声を上げる。「遠見は当てにならぬからな。さて、それでは。」
君は自分の指が何かを取ろうと開いていくのを感じた。「そいつを見せよ。」
君の手がゴブリンからもらった巻き物を引っ張り出すと、目が勝手に文章を追い始めた。
なすすべなく、読み続ける。
「ふむ、」魔法使いがつぶやく。「来て正解じゃった。」
君の指がひとりでに持ち上がり、紙を軽く叩く。
「大変興味深い。」彼が結論を下す。「大いに価値がある。」そこで声は不意に消えた。
「何て書いてあったんだ?」君が呼ばわる。だが魔法使いの存在はすでに消えていた。君は再び一人きりになり、何ら知識を得られなかった。
仕方なく、歩き続けることにする。


【変化点】
・+ゴブリンの巻き物

【手掛かり】
・ゴブリンの巻き物:何か書き付けられているが、君には読めない。

【感想】
七精霊に続き、時の大蛇の影がちらつく不穏な状況。この沼ゴブリンと遭遇して巻き物を入手できるのは古代世界時代の湿原のみです。
アプリ版では、フェネストラとロラグ(第2部でロラグに従ってゴブリンを撃退した場合)が巻き物の秘密を解き明かしてくれます。
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↑旧世界のクラッタバク平原やスナッタの森は、古代世界ではやはり湿原だった(S2-83)。
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↑その名は、原作にも出てきたヴィシュラミ湿原。
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S3-43 12日目:死を垣間見るも、九死に一生を得る [ソーサリー3:七匹の大蛇]

剣を振ろうとするものの、その重みに耐えかねて仰向けに倒れてしまう。いつの間にか君の両腕は、もう剣を持ち上げられそうになくなっていた!
そんなはずはないと自分の身体を見下ろすと、君の両足はすっかり細くなり、両手や胴体は痩せこけて骨と皮だけになっているではないか。顔に手をやると、髪はごっそり抜けていき、肌はしわだらけになっている…。
大蛇が嘲笑する。「時の顎からは決して逃れられぬ!」そいつの声が轟く。
呪文を唱えようと天空を見上げる。だがもう星は見えない。君の目はかすんで焦点が定まらなくなっていた。しかも水の中にいるかのように暗闇が広がっている。
君は地面に倒れた。尻の骨が折れた音がして、骨盤が潰れる。大蛇が近づいてくる。
君は叫ぼうと口を開けたが、抜けた歯が地面に飛び散っただけだった。次の瞬間、君は目が見えなくなり、さらにその次には完全な骸骨となり果てた。

骨だけの眼窩を通して、なすすべなく凝視する。
今や君はただの冷たい骨だ。
だがその時、風が再びそよいだ。雲が後退し、平原が晴れていく。
深い安堵のため息をつく。身体が元のように若返っていくのを感じる。骨は強くなり、肌が引き締まる。君を死へと引き寄せたものが何であれ、君はその手から解放されたのだ。
振り返ると、巨大な影が地面を飛び立ち、北東へと去っていった。そいつが巻き起こした突風で地面になぎ倒される。
それは飛びながら奇妙な航跡を残していった…。
フラフラとよろめきながらも、この呪われた地から生きて出られることをありがたく思う。

平原をゆっくりとした足取りで出発する。だがしばらくして、埃っぽく固い地面は海綿のように柔らかくなり、悪臭の立ち込める深い湿地で腰の高さまで生い茂った草の間を進むことになった。
魔法防御のベールがチカチカと明滅し、それから消える。
また夜が始まった。眠る場所を見つけるべきだろう。
足下の地面はぬかるみに変わり、歩くたびに指2,3本分は沈んでしまう。濃厚な腐敗臭が辺りに漂っている。
湿原は陰気な灰色でどこまでも続き、まるで囚人にあてがわれた容器の中の泥水のように、バドゥーバク峰とイルクララ岳の間に広がっている。
丈の長い草が冷たい風にざわざわと揺れている。あらゆる物が水の下にあるかのように揺らめいている。
どこか近くから、何かがぶつかり合う音と叫び声が聞こえる。だが君には何も見えない。
君は剣を抜いて両側の地面を突き刺した。少しは浅い場所もあるが、多くはかなり深くまで沈んでしまう。ここの地面はどう見ても不安定だ。
この先の地面がもっと固くなるよう祈りながら、君は進み続けた。

沼地がよりしっかりした不毛の大地へと取って代わった。そこは、少し前にあの七精霊がいた場所だった。
だが今は無人で誰もいない。


【感想】
時の大蛇に襲われて死んだはずが、奇跡的な力が働いて時間が巻き戻されたため、主人公は復活を果たしました!これぞ、不利な選択も可能になったアプリ版の真骨頂!
なお、選択肢次第ではここで時の大蛇を倒すこともできますが、今回はあくまで前哨戦ということで。ヒーローものでよくある、ライバルやボス格との最初の遭遇では一敗地にまみれるというやつですね。ブラッドソードのリプレイでも、五侯のマグス達には道中散々苦しめられました。
この七精霊イベントは旧世界時代に発生しますが、古代世界時代にとあるアイテムを持って来て隠し呪文を唱えると、最大体力が大幅に増やせます。
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↑時の大蛇の飛んだ跡は古代世界に変化!
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S3-42 12日目:七精霊の正体 [ソーサリー3:七匹の大蛇]

彼らの内の一人が頭を上げて君をじっと見つめた。それから君の名前を呼ぶ。「我らはお主をずっと待っていた。」そいつがささやきかける。「思ったよりも早く着いたな。我らは七精霊。こちらへ。我らに加われよ。」
君は天空を見上げた。だがそこには何も見えない。変だな。
星が全く配列しない場所があるという噂は聞いたことがあるが、これまで目にしたことはなかった。
この魔法の空白地帯のど真ん中で、彼らが君に手招きしてくる。
用心して近づく。彼らは何者だろう?どうやって君の名前を知ったのだろう?助言をしてくれるのだろうか、それとも彼らが被ったどくろの仮面が示すように危険な存在なのだろうか?
君が近づくにつれ、精霊達が地面から立ち上がる。互いの身体を通り抜けながら、そして手を取り合って君を取り囲みながら、音を立てずに宙を滑っている。
「警戒するのは理解できるが、」一人がささやく。いや、声を合わせて全員が喋ったのだ。「我らを恐れることはない。」
「どうやって俺を助けてくれるんだ?」
「知恵を授けよう。我らが知る呪文を唱えれば、あらゆる害からそなたは守られるであろう。」
「その呪文を教えてくれ。」
精霊達が君の周りで踊り始める。一糸乱れぬ斉唱にもかかわらず、君にはその言葉が理解できない。
「繰り返せ、」彼らがささやく。「我らとともに唱えるのだ。」
理解できない言語の言葉を繰り返すのは難しかった。最初の2,3行でつまづいてしまう。
『Arbil Madarbil…』
彼らが詠唱するにつれ、君は頭上の空に星が姿を現しつつあるのに気づいた。魔法だ。
「mAG!」
君が呪文を唱えると、魔法防御のベールが君の周りでちらちら揺らめいた。
『Arbil Madarbil…』
詠唱がもう一度繰り返される。防御の呪文が自分の身を守ってくれると信じ、今度はもう少し進める。
『Arbil Madarbil,
 Ar affar arcrye…』
『Ar affar arcrye…』
次に繰り返した時には、もっと先に進められた。それでも君には、何と唱えているかまだ理解できない!
『Arbil Madarbil,
 Ar affar arcrye,
 Arbil Madarbil,
 Noay dol'lo mine.』
静寂が辺りを覆っていく。奇妙で不自然な静けさだ。何かが来つつある…。
『Noay dol'lo mine…』
詠唱をもっと大きな声できっぱりと唱え終わる。空で雲が激しく揺れ動き始める。
やがて静寂を破り、稲妻が七精霊が立っていた場所に突き刺さった。
光が収まった時、彼らの姿は消えていた!
視線を上げると、頭上の空が裂けつつあった。今や空一面に目が広がり、それが開いていく。手で鷲掴みにされて引きずられるような強い力を感じる。巨大な蛇が君の背後のもやの中から立ち昇ってくる…。
だが、君の防御の呪文が君を守ってくれている。少なくとも今のところは!
大蛇が大きく顎を開くと、君の周りの光景が凍り付いたように静止していった…。
「JIG!」
星を探り、魔法を束ねてから、竹笛を取り出して奏で始める。こんな恐怖に満ちた場所でその調べは弱々しく微かだったため、君の心は沈んだ。こんな強大な敵を支配できるとは思えない。
だが驚いたことに、大蛇の頭が旋律に合わせて動き始めたではないか。君の奏でるリズムがこの化け物を縛っているのだ!
演奏を続け、大胆にも大蛇を足元まで呼び寄せる。その頭は君の前でだらんと垂れ下がり、君の音楽の調子に合わせて左右に揺れている。
そいつに質問をしようと、君は唇から竹笛を離した…、と同時に呪文はすぐに解けてしまった。
「定命の愚か者め!」そいつが甲高い声であざける。「お前は魔法から身を守れるようだな。だが、時の牙には通用せぬぞ!」
そう言うと、大蛇は光の速さで君の剣をすり抜け、君の腕に牙を深く埋め込んだ…。


【変化点】
・現在/最大体力:14/17→13/17(魔法)

【感想】
七精霊の呪詛をどう訳すか悩んだのですが、アプリ版はリーブラの存在が希薄なので、『ラブーリミガメ』ではなく(笑)、主人公にとってただ難解なだけの言葉の羅列ということにしてそのままにしました。原作でも大変不吉なこの呪文、当時罠にハマった時の動揺は今でもトラウマのように覚えていますが、今回もそれと同じくらい恐ろしい結果をもたらします…。
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S3-41 12日目:埋没した白骨を掘り返す [ソーサリー3:七匹の大蛇]

寺院に背を向ける。あそこはおそらく崩落寸前だろう!
古代の建物を後にした時、君は急にひどく咳き込んだ。
少し前には咳などしていなかった。もちろん平原はとても埃っぽい。だが、再び咳をして手を口に持っていった時、君は手の裏に鮮明な黄色い腫れ物が2つあることに気づいた。
手をじっと見つめる。これは黄死病だ!まず間違いなくあの老人が罹患していて、地下牢で君に抱き着いた時にうつされたのだ!
すでに身体がどんどん弱っていくのが感じられる。
君は目を閉じてスロフに祈りを捧げた。
すると奇跡的にも、君の手のみみずばれは消えていき、再び元の健康を取り戻すことができた!

やや上り坂の埃っぽい平原を横断する。曇り空を雲がどんどん流れていく。もうすぐ暗くなるだろう。
その時、何か白いものが灰色の砂埃からむき出しになっているのに気づく。
うっすらと埃の粒を被って見えるそれは、まるで白銀のようだ。何かがここに埋まっているのだ。
埃を払う。それは短く、くすんだ白色で、緩やかな曲線を帯びている。
その周りを掘り返すと、同じようなものが左右で1つずつ見つかった。土の中に平行に埋まっている。
しゃがんでもう少し掘ってみる。やがて、白色の短い棒が3本出てきた。
その瞬間、それが固く握りしめられた指の骨だと悟る。
指は上を差しており、あたかも土の中に立ったまま埋められたかのようだ。

そのまま掘り続ける。指の次に手首が、そして腕が現れる。まるで頭上に土が被せられる時にあがいて外に出ようとしたかのような姿勢だ。
深く掘り進むうちに、骨が皮に覆われてきた。最初は衣服の残りかと思ったが、錨と帆の入れ墨が入っていることから、どういうわけか土の中で保存された肌なのだと分かる。

今や君は真剣に掘り進んでいた。それはきつい仕事だった。
2,3分ごとに一息入れ、胴の下まで掘り返してから再び作業を止める。
頭は干からびた皮の球体だ。2つの灰茶色の眼球が眼窩の中で縮んでいる。鼻には金属の輪をはめ、髭がまだ残っている。上着の保存状態は良く、色褪せてはいるがボタンは無傷のままだ。頭には三角の帽子を被っている。
胴のすぐ上の添え木は、馬具の一種の残りか、もしくはこの人物の義足かもしれない。
上着をくまなく探したが、ポケットの中には興味を引く物は何も‐金貨1枚さえも‐見つからなかった。だが、首に小さな金属製の笛を見つけたので、それを持っていくことにする。
この人物の頭から帽子を取ったが、それは君の手の中でボロボロと崩れていった。
だが、もっと興味深いものが後に残った。薄い頭髪の下に、干からびた頭皮に別の入れ墨が彫られていたのだ。
入れ墨を念入りに調べる。2本の濃い線がVの字を形作っている。その上に別の線が交わった結果、逆向きの『A』の文字ができている。その文字の先端近くの内側に、『O』の文字とそのさらに内側に『X』の文字が黒く描かれている。
おそらく地図なのだろうが、もしそうだとしたら曖昧過ぎてきっと読み取れないはずだ。
穴の中から出て、ぞっとするような像をそこに立たせたまま立ち去る。

歩き続けると、地面が少し下りになってきた。太陽はほとんど沈み、空が深い紫色に染まってくる。じきに暗くなるはずだ。
急に右手の方から声が聞こえ、飛び上がるほど驚く。
周囲を見回すと、頭巾を被った7人の人影が車座になって地面に座っているのが見えた。奇妙な言葉を詠唱しながら、風変わりなゲームに興じている…。
信じられない思いで目をこする。彼らの姿はほのかに輝き、向こうが透けて見えるではないか。それに、少し前まで彼らはここにいなかったはずなのだ!


【変化点】
・現在/最大体力:15/17→14/17(穴掘り)
・+呼び子

【手掛かり】
・呼び子:簡素な真鍮製だ。

【感想】
この土中の白骨は旧世界で見つかりますが、古代世界ではここは湿地になり、足を踏み外して泥の中に沈んだ犠牲者の遺品を見つけるイベントがあるので、この白骨はその成れの果てだと思われます。もちろん、主人公も油断すると同じ目に遭ってゲームオーバーになる場合があります。
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↑黄死病も癒してくれる女神スロフ。聡明・高貴で弱者の味方ではあるものの、怒ると怖いらしい。
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S3-40 12日目:司祭シャラを地下牢から救出し、スロフの信徒となる [ソーサリー3:七匹の大蛇]

暗闇で視界が覆われて何も見えなくなる。それでも確かに、手が届きそうなくらい近くに誰かの‐もしくは何かの‐息遣いが聞こえる。
鼻栓を鼻の穴に入れるや否や、ほっと安心してため息をつく。
目が慣れてきた。ゆっくりと詳細が見えてきた。君が立っているのは、寺院の基部の中に造り込まれた、明らかに牢獄の類の狭い地下室だ。奥の壁には、髭ぼうぼうのやせ細った半裸の男が鎖で繋がれている。
「信じられん、」彼はあえいだ。「人間じゃ!ああ、わしは人間を目にしておる!」
彼は君に向かって来ようとしたが、足首に巻き付けられた鎖によってすぐに引き戻された。
「あんたは誰だ?」君が尋ねる。
「わしの名は…、」彼が思い出そうと目を回す。「シャラ、そうシャラと申す!ここのスロフの司祭じゃ。」
男はまた君の方に向かって手探りした。目を大きく見開き、興奮のあまり口からよだれを垂らしている。
「誰があんたを鎖で繋いだんだ?」君が尋ねる。
「クラッタマンじゃ。あのくそったれどもめ!」彼が呪いの言葉を吐く。「奴らは寺院を略奪し、値打ちのある物は全て奪っていきおった!おまけに、わしをここに繋いでな!」
「SUS!」
星の光を身体の周りに並べると、なじみのある穏やかな声が君に語り掛けてきた。この地下には危険があるが、それは目には見えず、老人そのものが危険なわけでもない…。謎の伝言を告げると、声は消えていった。
その時、ネズミが地下牢の床を走り抜けた。老人はそれをさっと引っ掴み、2つにちぎって生のままむさぼり食べ始めた。
君がまじまじと見ていると、彼は半分を君に寄越してきた。
だが君は首を振ってそれを断り、古い錆びた鎖に剣を振り下ろしてあっという間に両断した。
男は大喜びで飛び出し、君に腕を回して抱き着いてきた!
「恩に着ますぞ、旅の方!自由になれるとは、ああ何と素晴らしい!」彼は階段を駆け上がって陽光の中に躍り出た。辺りを跳ね回っているのが聞こえる。
君は汚い地下牢を手早く探ったが、何も見つからなかった。もしここがかつて宝物庫だったとしても、男を繋いだ何者かによって、すっかり持ち去られてしまったに違いない。
目を上げると、老人が上げ蓋の縁に手を掛けているのが見えた。君を閉じ込めようとしているのか…?
「やめろ!」君が叫ぶ。
まごついた表情で彼が君を見つめる。「何をじゃ?」
彼は上げ蓋を閉じようとしていたのではなく、単にふらついて身体を起こそうとしていただけだったのだ。
君は階段を上って彼に合流した。

老人が寺院の外で足を組んで座りながら微笑む。「素晴らしい、」彼がささやく。「二度と日の目は拝めぬと思っておった。どうお礼をすればよいのやら。」
「礼ならいらない。」
シャラがうなずく。「お前さんこそ真の勇者じゃ。」彼が祝福を授けるしぐさをする。「スロフの恵みをそなたに。」彼の言葉と共に、身体が癒されるのを感じる。彼は本当に司祭だったのだ!
「スロフについて教えてくれ。」君が尋ねる。「正しい女神なのか?」
「至高の神ですぞ!」彼が答える。「スロフは大地そのものの女神じゃ。この地は呪われたと言われておるが、スロフなしではバラバラになったことじゃろう。」
「俺もスロフの信者になれるだろうか?」
「もちろん!」彼が答える。「わしが信者にして進ぜよう。」
彼は君の額に手のひらを置くと、ぶつぶつとつぶやき始めた。クーガの深い声が遠のいていく!代わりに、スロフの力とぬくもりが君の心に入ってくるのを感じる。
「それはそうと、この地には奇妙な塔があるが、」君が尋ねる。「あれは何なんだ?」
「とても古くてな、」彼がうなずく。「古代人によって建てられたんじゃ。何のためにかは知らぬが、塔はこの地を繋ぎとめていると聞いたことがある。」
「7匹の大蛇を知っているか?」君が尋ねる。
「連中の噂を聞いたことがある。」彼が答える。「恐るべき者共よ。」
「どこで見つけられる?」
男が肩をすくめる。「わしは何週間も地下牢に繋がれておったんじゃ、」彼が答える。「スロフにかけて、どうやってわしがそれを知ることができよう?」
司祭は微笑むとぴょんと立ち上がった。
「ではこれにて。わしは勤めに戻らねばならん。もうずいぶん長く休んでしまったからの。」
彼は寺院の中に入ると、瞑想のために腰を下ろした。
柱の一つが斜めに動いたように見えた-それとも君の錯覚だろうか?


【変化点】
・現在/最大体力:13/17→12/17(魔法)→15/17(スロフの祝福)
・信仰神:クーガ→スロフ

【感想】
さくっと改宗。原作では改宗はご法度ですし、S3-27でも土着の神を信用するなとのヒントがあったのですが、アプリ版のスロフ神は”さほど”問題はありません(全く問題がないわけではない)。
この寺院にはまだまだイベントが残されており、本堂に入ると原作同様に崩壊し、井戸の中では大量の宝石を発掘することができます。今回は日数縛りのため、やむなく割愛…。
ちなみにこの司祭、寺院が崩壊すると、『寺院がなくなった以上、自分はもう司祭ではない』と屁理屈をのたまい、『掴み草のワインや賭博を楽しみたい』と言い残して立ち去っていきます。
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S3-39 12日目:魔法の滑り台を下り、クラッタバク平原に降り立つ [ソーサリー3:七匹の大蛇]

崖の縁から足を踏み出して、ブリアが教えてくれた裂け目へ身を投げ出す。君は山腹を滑り降り始めた。両側の岩肌にぶつかったり擦られたりしながら落ちていく。
目を閉じる。心臓が喉元までせり上がってくる。

死の降下は勢いを増していく。吹き付ける風が君の息を詰まらせる。
死ぬかもしれない。君は残り時間で何とか考えをまとめようとした。
もうすぐ谷底だ。鋭い岩が迫ってくる。

数回鼓動が打つ間に、君の降下は急に緩やかになった。山のふもとにふわりとたどり着く。
石の裂け目の底で立ち上がる。心臓はまだ早鐘のように打っている。生きているのが不思議なくらいだ。
ここの地面は固く岩だらけだが、丘のふもとを離れた所には、歩くのが極めて危険な湿原が広がっているのが見える。
だが君が知る範囲で、上に戻る方法はもうないのだ!
「dOC!」
飲み薬に呪文を掛けると、それは輝いて泡立ち始めた。
魔法の薬を飲む。爽快な気分だ!
旅を続けることにしよう。

平原を横切る。今の時刻は日差しが熱い。
地面の起伏が変わるたびに上り下りしながら前進する。午後は終わりに近づきつつある。
南の遠くの方に何かが見える。人工的なものだろうか、それとも岩が浸食されて偶発的にできた自然の産物だろうか?とはいえ、あれは低い石造建築のように見える。

もっと近くに行くまで、それがどんな構造をしているのか、それが何なのか、君にははっきりとは分からなかったが、それは石の土台の上に建つ廃墟だった。列柱は折れて崩壊している。
手の込んだ柱の彫刻から、それがかつてある種の寺院だったことがうかがえる。だがここは、カーレでズィーター卿を発見した寺院より百倍以上も荒れ果てている。

建物の裏手に回り込む。東側は正面よりもさらに傷んでいる。風が壁の穴を吹き抜けていく。
隅の方に、砂埃の中でほぼ四角形に見える痕跡に気づく。古い石の上にひざまずいて、注意深く指先で埃を払いのける。何かがここにはめ込まれている。
上げ蓋だ!
砂が平原を舞い飛び、君の目に入って一瞬前が見えなくなる。
君は年季の入った上げ蓋の取っ手を掴むと、力を込めて引っ張った。蝶番が軋み、悲鳴のような音を立てる。
上げ蓋が開いた。数段の階段と不快な臭いがあらわになる。そして、下では何か物音がして動いている…。
階下の暗闇を見下ろすと、2つの目が見返してきた。耳障りな息遣いが聞こえる。
「そこにいるのは誰だ?」君が問いかける。
返事はないが、鎖の金属音がする。君は伝説の剣を抜くと、暗い階下へと降りていった…。


【変化点】
・現在/最大体力:7/17→13/17(魔法)
・‐ブリムベリーの搾り汁(1回分)

【感想】
バドゥーバク峰を越える方法としては、今回の石の滑り台だけでなく、かつて橋が架かっていた断崖絶壁から身を投げたり、カリアンマ村の廃坑を抜けたりするルートがあります。どれも魅力的なルートなので、日数制限がなければ(しなければいいだけかも?)、全部行きたいくらいです。
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S3-38 12日目:対抗呪文の追試を受ける [ソーサリー3:七匹の大蛇]

ブリアが立ち上がる。「お前さんの相手をするのも飽きてきたよ。もう行ってもらおうか。」無遠慮に彼女が告げる。「でもその前に、」彼女が人差し指を立てる。「もう1つ。」彼女が言い添える。「大魔法使いと対決しに高地ザメンへ行くなら、魔法のもっと高度な使い方をもう少し知っておいた方がいいんじゃないか?」
「対抗呪文のことを言っているのか?」
「ご名答。」彼女が微笑む。「組み合わせを見つけて習得するには生涯を費やすことになるけど、簡単なものなら教えてあげられるよ。」
彼女が指輪でびっしりと飾られた指を上げる。そのうちの1つ‐緑色の金属でできている‐が周期的に輝き始める。だがすぐに発動しようとはしない。君が反応する時間を待ってくれているのだ!
「gUm!」
君はテーブルからにかわの壺をひったくると、足の上にそれを注ぎながら呪文を唱えた。ブーツが床に固定されるのを感じる。
魔女は呪文を完成させると、ニヤリと笑って指輪をはめた指で君を指差した…。
君は彼女の魔法をじっと待ち受けた。だが何も起きない。
魔女がうなずく。「上出来だ。全ての魔法には対抗する魔法がある。接着には転送で対抗できる。」
君の呪文も同じように消えていき、ブーツが再び自由に動かせるようになった。
「さあ、準備しな。」ブリアが告げる。手のひらに載せた岩の粉を君に見せる。
「fAL!」
頭上の天体を仰ぎ見ながら呪文を唱える。身体の重さがどんどんなくなっていくのを感じていると、ブリアの石化の魔法が効果を発揮し始めた。2つの力‐1つは君を空気に変え、もう1つは石に‐が君の内でぶつかり合う。
それらは徐々に衰えていき、やがて君の身体はいつも通りに戻った。
ブリアがうなずく。「その通り。軽量化は石化に対抗できる。」
魔女が再び腰を下ろす。「もう十分学んだろう?」彼女が言う。「元気でね。さあ、もうお行き。」
ブリアに別れを告げて小屋を出る。冷たい風がマントを斬りつける。
東の斜面を数個の石が転がり落ちていく。

君は岩肌の裂け目に恐る恐る近づいた。全くの直滑降ではないが、それに近い。地面は数百リーグは下だろう。
岩場の裂け目にもっと近づいて見てみると、近くの岩の幾つかが紫色のオーラを帯びているのに気づいた。その輝きは下の方まで続いている。ここには魔法が掛けられているのかもしれないし、もしくは単に小屋の主が好きな色なのかもしれない。
君は近くの石を手に取るとそれを山腹から投げ落とした。それは思った通りの速さで落ちていき、割れ目の側面で弾むと、途中で粉々に砕け散った。
「GOB!」
袋からゴブリンの歯を1本取り出して地面に放り投げ、それに呪文を掛ける。歯から煙が噴き出すと、やがてゴブリンの戦士が君の前に現れた!
君はゴブリンに、岩の割れ目に入るよう命令した。そいつは危険だという認識もなくそれに従い、君の視界から消えていった。
そいつが落ちていくのを崖から覗き込む。ゴブリンはまるで空を飛ぶ方法を短時間で体得しようとするかのように、小さい腕を空中でバタつかせながら落ちていく。もうすぐ谷底だ…。
…と、ここで急に落下速度が遅くなった。手際よく足で着地すると、そいつは君を見上げて敬礼した。やがて煙とともにその姿が消える。
とても面白そうだ。歯の入った袋をしまう。
小屋からは煙が途切れ途切れに出ている。


【変化点】
・現在/最大体力:8/17→7/17(魔法)
・‐ゴブリンの歯(1本)

【対抗呪文】
・ZIp⇔gUm
・ROK⇔fAL

【感想】
他の重要人物との会話と同様、彼女への質問時間は限られており、全てを聞き出せるわけではありません。他にも、『ZOB』の呪文そのものを教えてもらったり、彼女自身のことを尋ねたりできます(年甲斐もなく彼女は赤面します、笑)。
対抗呪文はうまいシステムだと思います。『mAG』が選択肢になくても対抗呪文があれば対処可能となるので、戦術に幅が出そうです。なおアプリ版では、各場面で使える魔法(原作と同じく5個前後)がそれぞれ異なるのは、場所によって天空の星の配置が変わるからという、もっともらしい理由付けがされています。
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S3-37 12日目:ロックデーモンの歯と7匹の大蛇の秘密を教わる [ソーサリー3:七匹の大蛇]

ブリアが君をしげしげと見つめながら急に首を傾げる。「お前さんの荷物からはみ出ているそれは、ロックデーモンの歯だろ?そんなもの持ち歩いてるのかい?」
「これが何の役に立つのか知っているのか?」
「ああ。」彼女が答える。が、その先を進んで語ろうとはしない。
「それで、」君が問いかける。「ロックデーモンの歯は何のために使うんだ?」
「たいていの歯と同じように、」彼女が答える。「召喚の呪文に使うんだ。そのための正しい呪文を知っていればの話だけど。」
「あんたは知っているのか?」君が尋ねる。
彼女が首を振る。「いいや。でも、あの呪文はどれもオリオスとブラックスを使うから、全部同じようなものさ。最初の星だけが変わるんだ、強い怪物ほど強い星へと。だから、その歯には天空で最強の星が使われるんじゃないかね。」
君が乗り気になってうなずいたところで、彼女は君に座るよう促し、彼女自身も腰を掛けた。
「この下の空き地で墓石を見かけたんだが、」君が話題を変える。「何か知っているかい?」
女性が眉をひそめる。「知らないねえ。」彼女が答える。「でも山の空き地は最期の安息地にはうってつけの場所だろうね。そろそろその辺のことも考えなくちゃ。」
老女は急に立ち上がると、サイドテーブルへと向かった。「お茶はどうだい?」
君が礼を言う。彼女はうなずくと、両手に水の入った鍋を挟んで一瞬で沸騰させた。そこにヤギのバターを入れてかき混ぜてから、陶器でできた2杯のカップに注いだ。
渡されたカップを手にして、彼女を注意深く観察する。
彼女は君を見つめ返して笑った。「心配かい?」
「まあね。」君が答える。
「結構。」そう言うと、彼女は椅の背にもたれかかってカップからお茶をすすった。
君もカップを口まで持っていき、ごくごく飲む。お茶は温かく、コクがあり、気分をすっきりさせてくれた。
「外で岩肌に裂け目があるのを見たんだが、あれは?」君が尋ねる。
「沼地へ下る道だよ。」彼女が答える。「あたしはめったに使わないよ。上にまた戻ってくる呪文は骨が折れるからね。下りるのは楽しいのだけど。」
なるほどとうなずく。こいつは興味深い、峰の東へ行く道があるのだ!
急に彼女がしかめ面をする。熱いお茶が彼女のカップのひび割れから滴っているのだ。
「これだから安物は駄目なんだ。」そう不満を漏らすと、彼女は箱からにかわの入った小さな壺を取り出してカップを修繕した。
彼女はテーブルの上ににかわの壺を出したままだ。
「7匹の大蛇のことを何か知っているかい?」君が切り出す。
「大魔法使いの手下だよ。」彼女が答える。「でもあいつらでさえ、この地の酷い呪いの影響を免れられない。あいつらを探しているんだね。」
「奴らを倒すつもりだ。」
「そうかい、」彼女が答える。「あいつらには弱点がある‐見つければ上手く渡り合えるだろう。」
彼女が思いやりのあるまなざしで君を見つめる。「それと、大蛇についてお前さんがたぶん知らないことがもう1つ。」
「それは?」君が促す。
「この土地の生き物達は偶発的にたまたま生み出された。でも全部じゃない、そうなるべくして創造されたものもいる。その元となった姿形は世界中で目にするものだ。大蛇はそういう生き物なんだよ。あいつらの存在は星の配置によって予言されていたんだから。」
「あんたの話は謎かけみたいだ。」君が文句を言う。
「あたしは魔法使いなんだから、」彼女が熱っぽく言う。「それは当り前だろう?星は魔法の源、そして星がもたらす魔法があたしらを形作る。強さと速さと眠りの呪文があり、死と火と思考の呪文がある。これらが全人生を共にしているんだ。」
「それが大蛇と何の関係が?」
彼女が目を輝かせながらにじり寄る。「星々の中に、7匹の大蛇のためだけの呪文もあるってこと。考えてもみな、頭上の天空は地上に存在するものに合わせて配列するんだ。その呪文を知ってるかい?」
「教えてくれ。」君が言う。
「それがあいつらに対して有利にしてくれるわけじゃないけど、」彼女が言う。「役には立つかもしれない。」彼女はテーブルの上に3行の文字を描いた。「その呪文は3つの星、サア、ササーラ、シファクスで編み出される。そして、呪文には具現化のための指輪が必要なんだ、蛇の姿が彫られた指輪がね。」
「こんなやつかな?」君が蛇の指輪を取り出す。
「全くもって、それさ。」彼女がうなずく。
「呪文は何をしてくれるんだ?」
「大蛇に会話を強要するんだ、お前さんの質問に答えるよう。支配も退治もできないけど、それでもかなり助けになるだろう。」
君はもう一度うなずいた。


【変化点】
・現在/最大体力:4/17→8/17(お茶)

【新呪文】
・SSS

【感想】
チベットのバター茶と思われるこの飲み物は実にありがたかった…。
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↑『SSS』が呪文書に!
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S3-36 12日目:生前の魔女ブリアから対抗呪文を教わる [ソーサリー3:七匹の大蛇]

無人の空き地を後にして、元の山道に戻る。岩肌はすっかり静かなままだ。ただ、ロックデーモンが横たわっていた場所だけがえぐれている。
歩みを落とさずに進み続ける。

登りは殺風景な岩の高台で終わっている。今日は晴れそうだ。また暑くなるだろう。
ここはかつて火山が形成した円錐状の台地なのだろう。埃っぽい石のくぼ地が広がっているが、無人ではない。真ん中に、急勾配の布地の屋根が付いた円形の小屋が建っている。
古い火山の広い火口をぐるっと見渡すが、見るべきものはほとんどない。土に混ざった火山灰が、君が山腹で目にした青々とした森林を育んだことは間違いない。少なくとも、再び火山が噴火することはなさそうだ。
冷たい山頂を吹き渡る風が君の肌に掴みかかる。

小屋に近づく。壁は木の厚板で作られ、下の岩にしっかりはめ込まれている。これは仮の掘立小屋や旅人のテントの類ではない。煙突からは薄い煙が微かに立ち昇っている。
小屋の周りを歩いてみる。とある斜面に、山腹を縦に走るすべすべした岩の裂け目を見つける。遥か下の谷底まで矢のように真っ直ぐ続いている。
石が数個、東の急斜面を転がり落ちて消えていった。

扉に近づいてノックする。中からしわがれた声がする。「遅いよ!早くおし!」
「BIG!」
呪文を唱える。しばらくは何も起こらなかったが、やがて急に君は3倍の高さまで大きくなった!
ここには強い魔力を感じる。まるで高位の魔法が存在しているかのようだ。
声の言葉に好奇心をそそられ、扉を開ける。背を丸めて腹ばいになって、背の低い小屋の中に入る。

小屋の中には立つ余地がなかった。君の巨人化の呪文のせいではあるが。
「あたしもお前さんも魔法使いだとしたら、」しわがれ声が告げる。「どっちの力が上だか分かるかい?」
「迷うまでもない。」君が返す。「それは俺だ。」
「そうかね?」声が答える。少ししてから、音楽の一節が聞こえてきた。すると突然、君の両手両足は急に上下に動き出した。
「何だこれは?」
別の音楽が流れ、君はつま先を軸にクルクルと回り始めた。君は踊っているのだ!
身体を落ち着けようとするが、全く思い通りにならない。君の手足が外から操られているというより、むしろ踊りたいという強迫観念‐くしゃみのようなもの‐が強くて、いても立ってもいられないような感じだ。
「これに抗えるほど力があるわけじゃなさそうだね。」声が告げる。音楽が止まり、君は近くの椅子にへたり込んだ。
「俺はそれの対抗呪文を知らないんだ。」
話し手が立ち上がって近づいてくるのが聞こえる。しわだらけの固い手が差し出される。
「正直だね。不器用の呪文は踊りの呪文を無効にできるよ。落ち着きな、お前さんを本当に傷つけるつもりはないんだから。どうぞいらっしゃい。」
君は大きな指で相手の小さな手と握手した。
小屋の中は柔らかな光で照らされ、今は君にも魔女の姿が見えた。だが、彼女があまりに年を取っているので、そのしわのせいで彼女の顔の特徴がよく分からない。
君が彼女を見つめていると、彼女はニッコリと笑った。「この年になると、誰にだってなれるのさ。」
「あんたは魔法使いなのか?」
「そう。」彼女が微笑む。「私の名はブリア。かつては高地ザメンの魔法使いだった。少し前にあそこを離れたのだけど。お前さんのことは歓迎するよ。」ここで彼女が眉を寄せる。「でも、いつもより3倍の図体でここを踏み荒らし続けるつもりなら、強盗に押し入ってきたとみなすからね。そうなったら、もう話はお終い。」
「すぐに切れると思う。」のん気に君が答える。
「それじゃ遅過ぎる。」ブリアは舌打ちをすると、脇の小物入れに手を伸ばしてサイコロのような大きさと形をした何かを取り出した。
「それは?」君が尋ねる。
「巨人の歯だよ。」それを床の上に放りながら彼女が答える。直後に歯から煙が立ち上った…。
小屋のど真ん中に巨人が姿を現すと思い、君はすぐに後ずさった。だが何も起こらない。煙はすぐに晴れ、君も元の姿に戻っていた。
「対抗呪文か!」
ブリアがうなずく。「巨人化の魔法は巨人召喚の呪文で打ち消せるのさ。」
君は新しい対抗呪文を2つも学ぶことができたのだ!


【変化点】
・現在/最大体力:4/17→5/17(食事)→4/17(魔法)
・食料:7→6日分

【対抗呪文】
・JIG⇔Dum
・BIG⇔YOB

【感想】
生前のブリアに会えるのは古代世界で、旧世界ではハーピーに襲われた挙句引き返すことになります。このように、灯台の光の微妙な位置調整が今回の(以下略)。
当初、『chimney』を煙突と訳していましたが、登山などの用語で使われる、縦方向の岩壁の割れ目とした方がしっくりきそうです。
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